Salesforce.comは新興企業MinHashを買収した。MinHashは人工知能(AI)を活用し、マーケターによる広告キャンペーンを成功に導くための支援を提供する企業だ。
今回の買収は最初にTechCrunchによって米国時間12月14日に報じられ、現時点ではSalesforce.comとMinHashともにその事実を認めている。
カリフォルニア州パロアルトに拠点を置くMinHashは、eBayやOracle、スタンフォード大学に籍を置いていた、経験豊富で実績のあるテクノロジストやデータ科学者によって創業された。
MinHashは、仮想アシスタント「AILA」を開発したことで知られている。AILAは特定用途向けのAIを搭載し、インターネット上のさまざまなメディアソースを横断し、人々の関心を急速に集めつつあるポピュラーな話題を見つけてきて分析し、パターンを抽出することができる。
AILAは、テキストや画像、ハッシュタグ、URLといったものからデータを収集し、それらデータを利用した「適切なオーディエンスに向けた、的を射たテーマで特色あるメッセージを発信するキャンペーンの自動作成」が可能だという。
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AILAは現在のところファッションに特化したものとなっているが、その技術はさまざまなアプリケーションで活用できるため、Salesforce.comにとっては何の問題もないはずだ。
Salesforce.comはMinHashの買収により、データ科学の専門家を複数迎え入れることになる。これらの専門家は、クライアントのセールスリードや成約件数の増加を目的とするクラウド製品「Sales Cloud」を担当する可能性もある。
AILAを用いることで、人気のトレンドを活用したキャンペーンの展開が可能になるのであれば、この技術によってSalesforce.comのプラットフォームの効率はさらに向上するはずだ。
MinHashのウェブサイトに投稿された声明によると、同社のチームは「検索やデータ科学、機械学習に関する(自らの)情熱をより幅広く追求」し続けることになるという。MinHashはSalesforce.comによる買収の結果、2016年1月21日をもって同社プラットフォームの運用を停止する。なお、買収の金銭的条件は明らかにされていない。
MinHashのチームが移籍後に、Salesforce.comの組織に組み込まれるかどうかは、まだ明らかにされていない。
なおSalesforce.comは12月初め、同社の「Lightning Connect」を「Salesforce Connect」という名前に改称し、レガシーシステム内のデータへのアクセスや、それらの移送をより容易に行えるようにする新機能も追加している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。