自然エネルギーの活用により運用コストの低減を実証
自然環境から得られる小さなエネルギーを電力に変換するエネルギーハーベスティング技術の検証として、蓄熱材を用いて高効率化した熱電変換モジュールを新たに開発。マンホールの蓋に装着して発電量の検証を行った結果、従来の熱電変換方式の5倍以上となる発電量が確認できた。
シミュレーションによる検証では5年間以上動作が可能な電力量が得られ、その間の電池交換作業は不要となる。
熱電変換モジュールの概要とマンホールへの装着の様子 (富士通研究所提供)
水位の変化が数値化されたことで、排水計画の検証が可能になり、今後の浸水対策の計画の策定に生かせると期待される。また、長期間バッテリ交換不要となるエネルギーハーベスティング技術は、ランニングコストの大幅な縮減が期待できるとともに、交通量の多い場所に設置されているマンホールにおいての危険の伴う保守作業軽減にもつながる。
富士通研究所は今後、実測データを解析して水位予測を高精度化するなど、実証実験で得られた成果を中心に開発を進め、本技術の2016年度中の製品化を目指す。また郡山市では、今後、落合堀雨水幹線の排水計画の検証を行い、新たな浸水被害対策に生かしていくとしている。