重要なのは、データを使いたい人にとってデータが使いやすく、利益創出のためのアクションをとりやすいことだ。そのためには、マーケターやエンジニアがデータを自由に取得できたり、それを扱うためのツールが自由に使えたりできる環境であることが求められる。具体的なツールについては前回(前編・後編)・前々回の記事を参照してほしい。
典型的なデータ分析基盤の構成
現実的な解
データ分析基盤の理想は、あらゆるデータが集約され、データを常に理想的な状態で得ることができ、データ分析者が自由に扱えるようになっていることだ。とはいえ現実的にはすぐにそのような状態にすることは難しいであろう。現実的な落とし所を見つける必要がある。
まずとっかかりとしてマーケティング部門とIT部門の混成チームを作ってみることを一案として挙げたい。攻めのデータを活用するマーケティング部門と、守りのデータを活用するIT部門でバランスをとったチームを編成することで、企業におけるデータのあり方を見つめなおす機会になるかもしれない。
よくある理想的なデータサイエンティスト像として、業務がわかり、統計の知識があり、ITスキルがある、というものがある。一人でこれをまかなおうとすると、スーパーマンを連れてこなければならないが、チーム全員の力を合わせることでこれらの領域をカバーすることができる。業務レベルではマーケティング部門のメンバーが有識者になるだろうし、ITスキルについてはIT部門のメンバーが力を発揮するだろう。残るのは統計の知識を担うメンバーであるが、社内に得意なメンバーがいればそれでよいし、いなければ社外に協力を要請する(外注する)という手段もある。いずれにせよ、企業におけるデータを活用していくという目的意識さえ共有できればよい。