Facebookの最高経営責任者(CEO)であるMark Zuckerberg氏は、2016年中に自宅や家族の面倒を見てくれる個人用の人工知能(AI)を作るつもりであることを発表した。
Zuckerberg氏は、このAIを使って音声で自宅を管理し、友人を認識してドアを開けたり、生まれたばかりの長女Maxちゃんの状況をチェックするのに役立てたりしたいと考えている。
自分専用のデジタルコンシェルジュを作るのは、Zuckerberg氏のような億万長者だけの特権だと思われがちだが、自分用のバーチャルアシスタントを作るのに必要な技術は、誰でも利用できるようになりつつある。
今ではAIをはじめとして、それに必要なツールを提供するオンラインサービスが数多く登場している。いくつか具体的に挙げてみよう。音声認識はAmazonの「Alexa Voice Service」で提供されており、顔認識や感情認識にはMicrosoftの「Project Oxford」が使える。「IBM Watson Services」には、話し言葉や書き言葉を理解する自然言語処理の機能があるし、「Amazon Web Services(AWS)」や「Microsft Azure」などのクラウドプラットフォームでは、機械学習が利用できる。
これらのサービスは誰でも利用できるが、それだけでなく、その多くは最初は無料で利用できる。例えば、MicrosoftのProject Oxfordでは、開発者は毎月5000回まで無料で「Computer Vision API」を呼び出せる。
また、それらのサービスを利用した簡単なアプリを作るのに、プログラミングの天才である必要はない。SDKが提供されているおかげで、さまざまなプログラミング言語で、それらのサービスを利用し始めることができる。例えば、JavaScriptとNode.jsについてある程度知っている人であれば、無料で配布されている直感的なNodeモジュールを使用して、誰でもProject OxfordのFace API(顔検知API)を使って人の顔を見分ける簡単なアプリを開発できる。
FacebookのCEOであるMark Zuckerberg氏も、「人間のように」対話できる自分のためのAIを作ろうとしている。