IDC Japanは1月13日、国内IT市場の2015~2019年の地域別予測を発表した。2015年は、円安が大都市圏とそれ以外の地域での格差を量的にも質的にも拡大させているという結果が出た。
2015年は円安が進み、東京を中心とした首都圏や名古屋、大阪、福岡など大都市圏で輸出比率の高い大企業の業績がプラスとなり、IT投資が増えている。一方、それ以外の地域では原材料費の高騰により業績が圧迫されている企業が多い。また、2014年のPC更新需要の反動も大きく、東京都・関東地方・東海地方・近畿地方以外は、すべてマイナス成長となり、IT支出をほぼ止めてしまっている中小企業もあるという。
民間部門においては、大都市圏が大きなシェアを占める一方、公共や教育・医療福祉部門では、大都市圏以外の地域の割合が高いため、今後、格差を埋めるためには、いかに公的部門の支出を地域の成長に結びつけることができるかがカギになると説明した。
国内IT市場 地域別前年比成長率予測: 2014年~2019年(IDC提供)
IDCは、ITベンダーが、大都市圏においてはクラウドやモバイル、ソーシャルなどの“第3のプラットフォーム”を活用した戦略的IT投資を積極的に提案していくことが重要であると指摘。それ以外の地方では、政府の補助金をうまく活用して、業績が伸び悩んでいる企業の成長を支援する地方創生ビジョンを描く必要があるとしている。