パナホームは、営業、設計からリフォームまで全部門のデータを一元化する統合データベース環境を構築し、情報基盤を刷新した。1つのデータベースに全工程のデータを集約した上で、データ連携製品を通じて各工程向けの情報を加工・抽出できるようにした。製品を提供したインフォテリアが1月18日、発表した。
パナホームでは経営計画の中で、新たな分野への事業拡大を図っており、その一環として、複数のシステムに分散していた情報資産を一元管理する業務のためのシステム環境を刷新した。
これまでのシステムは、営業、設計、建設、アフターサービスなどの工程ごとに構築され、それぞれが独立したデータベースを持っているために顧客の建物情報などが分散して管理されていた。そのため部門を横断した情報が連携できず、リフォーム提案などにつながるような営業がつかんだ顧客の要望をシステム上でタイムリーに共有できないといった課題があったという。
パナホームがシステム改善を依頼したパナソニック インフォメーションシステムズでは、この課題に対し統合データベース環境の構築を提案し、システム移行に着手することになった。新たに構築された統合データベース環境では、企業アプリケーション統合(EAI)ソフトウェアの「ASTERIA WARP」を採用し、1つのデータベースに全工程のデータを集約、ASTERIA WARPで各工程向けの情報を加工・抽出できるようにした。
構築に伴い新たに導入したデータベースへの移行作業においてもデータ連携ソフトを用いて新旧システムを同時に立ち上げながらデータを同期させることで、業務を止めることなく統合データベースを構築することができたという。
統合データベースを構築したことにより、部門を横断した情報連携ができるようになり、設計部門の図面を営業がタブレットで確認できるようになったほか、顧客への提案スピードが上がった点を成果として挙げている。

システム構成図(インフォテリア提供)