大日本印刷(DNP)は1月29日、企業に対する標的型サイバー攻撃への対策要員を訓練、養成するアカデミーの運営会社として、株式会社サイバーナレッジアカデミーを月に設立すると発表した。この新会社は、あらゆる業種・業態の情報セキュリティ部門に従事する技術者が、サイバー攻撃に対処するためのスキルアップとチームワークの向上を図ることができる同アカデミーを運営し、2020年度までの5年間で30億円の売上を目指す。
DNPは、これまでにも情報セキュリティに関わる事業を数多く手掛けてきた。今回、セキュリティ技術者の判断力や連携スキルなどを高めるために、これまで培ってきた知見やノウハウを活かし、現実に起きうるさまざまな脅威に対抗するサイバーセキュリティ技術者を集中的に訓練し、養成するアカデミーを開校する。アカデミーの運用を担う新会社では、そのほかにもセキュリティに関連する技術・サービスの提供、コンサルティングなどの事業展開も予定しているという。
同アカデミーでは、世界トップレベルのサイバーセキュリティ技術を持つIAI(イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ)の訓練システム「TAME Range」を活用する。日々複雑化・高度化するサイバー攻撃への対応を体験型実践演習(ハンズオン)で訓練・学習することで、未知の攻撃にも対応できるスキルを修得できるという。また受講者はチームを編成し、インシデント対応時に必要な動作の基本から応用までを学習、チームで対応することの有用性を認識させることでチーム力の醸成と向上を図り、個人のスキルアップとともにチームリーダーの養成も行う。
新会社が運営するアカデミーの概要は以下の通り。
- 体験重視の実践演習 座学中心の一般的な講習と異なり、全体の7割におよぶ実践演習を実施
- チーム力とチームリーダーの養成 個人のスキルアップだけではなく、チーム力とリーダーシップを醸成
- 攻撃シナリオを用いて、隔離された仮想環境上で演習を実施 典型的な企業内の情報システムを仮想システム上に再現し、チームごとに独立した環境でトレーニング/リーダーと複数メンバーで構成されるチームによる防御能力向上を図るトレーニング/標的型攻撃などの実例に基づいたシナリオによるリアルな攻撃を防御するトレーニング
- 受講者の理解度と対処状況を自動評価、採点 受講者のトレーニング評価結果から、課題抽出と解決を図る