JALグループのIT中核会社であるJALインフォテックは、SDN(Software-Defined Networking)を活用した次世代オフィスLANの導入を決めた。このネットワークをJALインフォテックの本社ビルや外部データセンターに導入し、5月の稼働開始を予定している。受注したNECが2月8日、発表した。
JALインフォテックでは今回、オフィスLANの更新にあたり、現状のネットワークにおけるトラフィック対策や運用性、柔軟性向上などの課題解決を図るとともに、事業拡大に向けてSDNを活用したネットワーク構築ビジネスを展開すべく、自社内でのSDN活用を決定した。
具体的には、既存のネットワーク機器を生かしながら、SDN対応機能を搭載したNECの「UNIVERGE PFシリーズ」「UNIVERGE QXシリーズ」を部分的に導入することで、コストを最適化すると同時に、SDN活用による利点を得ようという内容。
本ネットワークの特徴は以下の通り。
止まらないネットワーク
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(1)運用管理のあり方を変えるSDNは適材適所で考えるべき
(2)ソフトのスピード感でネットワークを制御する利点を生かす
(3)インフラ自動化を支えるSDN--気になるコンテナとの関係
(4)ネットワークからアプリケーションを理解することの重要性
ネットワークを仮想化し、1つの物理ネットワーク上に基幹業務用途やシステム開発用途など複数のネットワークを論理的に構成することが可能。論理ネットワーク同士は完全に独立しているため相互に影響を与えず、セキュリティや通信品質の確保を実現。
また、ネットワーク全体の集中制御により通信経路の柔軟な変更が可能なため、平日の日中にシステム運用を止めずネットワーク機器の保守作業を実現。
管理しやすいネットワーク
GUIを活用し、高度な専門知識がなくても直観的な操作でネットワークを設計、設定できる。また、ネットワーク全体の通信状態を可視化でき、万一の障害発生時における障害箇所の迅速な特定、復旧も実現できる。
つながるネットワーク
ネットワーク機器の増設の際、各機器に対する設定変更を一元的に実施することが可能。これにより、テレビ会議やウェブ会議、モバイル端末などの利用拡大によるデータ量の増大などに応じた迅速かつ柔軟なネットワークの変更を実現する。
SDNの特長を生かし、仮想ネットワークによるセキュリティや通信品質の確保、GUI画面による容易なネットワークの設計、設定、テレビ会議などの利用拡大によるデータ量の増大に応じた迅速かつ柔軟なネットワークの拡張などを実現する。
またJALインフォテックでは、今回の自社内でのSDN活用実績やノウハウを生かし、JALグループ内外にSDNを活用したネットワーク構築ビジネスを展開する。NECは同社と協業し、販売、技術面から支援する。