日本オラクルは2月29日、投資家などのステークホルダーを対象にした、法定開示書類、統合報告書やCSRレポートなどの任意開示書類、および社内業績報告書の効率的な作成を支援する新クラウドサービス「Oracle Enterprise Performance Reporting Cloud Service」の提供を国内で開始すると発表した。
経営管理のクラウドサービス「Enterprise Performance Management Cloud」の1製品という位置づけ。
予算管理やERPの各クラウドサービス、オンプレミス型の経営管理ソフトウェア「Hyperion」とも連携可能で、これにより、経営情報の可視化と有効活用を包括的に支援する。
現状、企業が社外に開示する書類や社内用の業績報告書を作成する際には、ERPやその他関連システムからの情報収集と集計を、表計算ソフトに頼った属人的かつ煩雑な手作業を中心に実施している。適切な確認作業や承認プロセスの標準化も徹底されておらず、内部統制の面においても課題があった。
さらに、企業による開示報告書については、ステークホルダーにとってより高い付加価値の情報提供が求められる傾向にあり、決算短信、事業報告・計算書類、有価証券報告書など多数の開示書類の一元化や四半期開示制度のあり方などが議論されている。
企業の経理・財務、経営企画、IR(Investor Relations)においては今後、こうした動きに柔軟に対応できる体制を整え、国内外の投資家など幅広いステークホルダーに企業価値を訴求できる報告書を作成する必要がある。同サービスを導入することで、このような報告書類作成業務の効率化に役立てることが可能という。
主な機能は以下の通り。
- 財務情報だけでなく、概況報告などの記述も含めた報告書類の作成と一元管理
- 複数の部門が関わる報告書作成における複雑なプロセスの可視化と承認、進捗確認と作業履歴の管理、対外法定書類および社内向け報告書の作成におけるバージョン管理
- 役職、役割に応じたアクセス権の付与
また、報告書作成において使い慣れた文章作成、資料作成ソフトと同様の操作性を維持しつつ、データの一元化、作業履歴の管理、適切な権限付与も実現するため、担当者の業務負荷軽減に寄与する。