回転寿司チェーン「スシロー」を展開するあきんどスシローは、経営管理システムを刷新、多彩な経営情報を迅速に把握できるようにした。
あきんどスシローでは、2011年から注力している海外事業の拡大を見据え、国内外のグループ企業の経営状況もリアルタイムで把握できるシステムを必要としていた。また、経営会議向けの資料作成時に、表計算ソフトを使用した数値入力に多大な時間を要しており、情報の分析と活用が不十分であるという課題を抱えていたという。
こうした理由から、市場の状況を的確かつ迅速にとらえることで、日々の戦術立案および遂行を支援する経営管理システムの導入を決めた。
経営管理システムの中核として採用したのは、Oracleの分析シミュレーション用多次元データベース「Oracle Essbase」。あきんどスシローでは、経営戦略に合わせた柔軟性と拡張性を兼ね備え、また短期導入が可能である点を評価したという。
また、導入を支援したブレインチャイルドのトレーニングにより、業務部門ユーザーが短期間でシステムの操作を習得でき、入力作業を短縮できると同時に、経営の意思決定に寄与する情報の分析に注力できるようになった点も評価された。
経営管理システムは、Essbaseの採用決定から1カ月で導入が完了し、3カ月後に本格稼働を開始している。新システムにより、従来は3~5営業日かかっていた表計算ソフトでの数値入力作業が、0.5営業日まで短縮されたとのこと。
多次元データベースの機能により、主要な重要業績評価指標(KPI)だけでなく、財務諸表、キャッシュフローのほか、エリア別や店舗別、本社内の部門別、あるいは出店年度別などの情報も把握できるようになった。さらに、表計算ソフトに入力した数値を自動的にEssbaseに関数を組み込ませることで、海外のグループ会社が入力したデータを基に、日本の本社で海外の状況を把握、管理することが可能となっている。
業務部門のユーザーは、ブレインチャイルドの導入支援により、システムの操作方法だけでなく、日々変化する経営管理をEssbaseに適用する際に必要な手法を習得。経営陣の要望に業務部門ユーザーが自ら柔軟かつ迅速に対応でき、有効な分析項目や新たなKPIなどの指標の発見と設定も可能になったという。
あきんどスシローの常務執行役員で、最高財務責任者(CFO)のJohn Durkin氏は、以下のようにコメントしている。
「会社の状況をリアルタイムで把握し、一歩先を見据えた事業戦略を打つためにEssbaseを導入しました。数値の入力作業が大幅にスピードアップしただけでなく、非財務情報を含めた経営関連データを多角的な視点で分析できるようになりました」