Dropboxは自社ストレージサービス向けに独自の内部クラウドを構築する計画だ。Amazon Web Services(AWS)から距離を置く動きとなる。
Dropboxは公式ブログで、自社のクラウドインフラが必要になるレベルに達したと説明している。同社はブログで、「Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)」を早期から利用しているが、ユーザーと顧客の成長に伴い社内にストレージシステムを構築するとしている。その理由として、自社サービスの性能を向上させる必要性、それに独自のブロックストレージの利用方法を挙げている。
この動きは、企業向けのプライベートクラウドにおけるスケールの問題を浮き彫りにしている。企業の中にはAWSなどのパブリッククラウド事業者一本にするところもあれば、パブリッククラウドから社内に戻すところもある。たとえばZyngaはクラウドに絞ったのちに、社内データセンターを構築したが、結局再度クラウドに戻すことを発表している。
Dropboxは自社でストレージインフラを構築した方がクラウドプロバイダーを利用するよりコストの増加を抑えられる点に達したとみているようだ。ポイントは、Dropboxは自分たちでインフラを構築し、立ち上げ、保守してコストを削減しなければならないという点だ。Dropboxがスケールに失敗して効率性を改善できなければ、コストメリットを得られないだろう。
Dropboxは開発チームを擁しており、エクサバイト級までスケールするストレージ市場を理解していると記している。しかし、Dropboxが追求するのはハイブリッドの道だ。自社のデータセンターに投資し、意味のあるところでAWSとの協業を続けるとしている。
興味深い動きだが、数年後にどうなっているのかに注目すべきだろう。Dropboxは予想していた通りの経済効果を得られるのだろうか。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。