日立製作所、日立産業制御ソリューションズ、日本ストラタステクノロジーの3社は3月29日、日立の産業用コンピュータと米Stratus Technologiesの耐障害性(FT:Fault Torelant)ソフトウェアを組み合わせた製造分野向けソリューションの提供を同日より開始すると発表した。
国内と日系企業が進出する海外の工場やプラントなどの製造分野に向けて、販売、ソリューションパートナーを通じて積極的に拡販していく。
本ソリューションの全体イメージ(日立提供)
FTとは、システムを構成する部品の一部に障害が発生した場合においても、システム全体が機能不全に陥ることなく動作し続けることを意味する。米Stratus TechnologiesのFTソフトウェア「Stratus everRun Enterprise」は2台1組のシステム上に仮想環境を構成し、データとメモリを常に同期化、冗長化する。既存アプリケーションの修正や複雑なインストールが不要で、金融業、製造業、流通業、医療などのICTシステムで世界的に広く普及しているという。
また、日立と日立産業制御の産業用コンピュータ「HF-W7500モデル40」は、24時間連続運転と10年の長期使用を想定した「HF-Wシリーズ」のハイエンドモデル。最長12年間の保守サービスを提供するとともに、複数国の安全規格に準拠しており、かつ複数言語ユーザーインターフェースに対応しており、工場やプラントを対象に豊富な納入実績があるとしている。
- TechRepublic
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今回、両製品を組み合わせ、アプリケーションに影響を与えることなく重要機器である産業用コンピュータの可用性と信頼性をシンプルに高められるようにした。
具体的には、2台のHF-W7500モデル40をLANケーブルで接続し、Stratus everRun Enterpriseをインストールしており、一方のHF-W7500モデル40に障害が発生した場合においても、Stratus everRun Enterpriseの機能によって自動的に他方のシステム上の仮想マシンが継続的に処理できるようになっている。
可用性が求められるシステム向けに一般的に普及しているクラスタシステムの利用に比べて、設備・システムのダウンタイムを抑えられるとともに、短期間で導入できる。クラスタシステムに必要な共有ディスク装置が不要なため、導入コストを抑えられる。
また、Stratus everRun Enterpriseによって物理的に2台のHF-W7500モデル40を冗長化して論理的に1台としているため、既存のアプリケーションをそのまま利用でき、かつ仮想マシン上のOS(ゲストOS)やアプリケーションのインストールも1回のみで済む。最大24の仮想マシンを構築できるため、複数の業務システムの統合も容易だとしている。
なお、同ソリューションに使われる両製品については、ストラタステクノロジーにおいて両者を連携させて稼働検証を実施し、HF-W7500モデル40を産業用コンピュータでは初のStratus everRun Enterprise検証済モデルとして認定しているとしている。