#2:PCの代替が必要だが、Linuxのあれこれを学びたくないという人
簡単に使用できるデスクトップ用Linuxが必要なのであれば、「Ubuntu」がお勧めだ。
Ubuntuのデフォルトデスクトップ環境である「Unity」は、どのくらい簡単に使用できるのだろうか?筆者が82歳になる義母にこの環境を用意してあげたところ、彼女は苦もなく使いこなせるようになった。筆者は英語、義母はスペイン語と、話す言葉すら違うにもかかわらずだ。
Linuxは使いにくいという人は、ここ10年ほど山にこもっていたに違いない。筆者の言うことが信じられないって?「Android」搭載スマートフォンを使っている人たちはすべてLinuxユーザーなのだ。また、Androidの次期バージョン「Android N」に搭載される予定の「freeform mode」というマルチウィンドウ機能により、来年の今頃にはAndroidデスクトップが当たり前のようになっているかもしれない。
UbuntuのUnityインターフェースは、その他ほとんどのデスクトップとは異なっている。しかし、直感的に使えるシンプルさを備えている。保守的なLinuxユーザーは、Unityインターフェースが、「KDE」や「GNOME」のようなウィンドウやアイコン、メニュー、ポインタ(WIMP)を使った従来のインターフェースとはあまりにも異質であるため、Ubuntuを好んでいないのだ。なお、WIMPインターフェースは、Windows XPや「Windows 7」でもおなじみとなっている。
とは言うものの、簡単に習得できる、使いやすいインターフェースがいいという人(筆者は違うが、ほとんどの人はそうだろう)にとって、Unityは相性が良いはずだ。
要するに、習得時間が短くて済むLinuxを望んでいるのであれば、Ubuntuをお勧めするというわけだ。
#3:WindowsからLinuxに移行したいという人
Windowsを使用していると「Windows 10」にアップグレードするよう何度も求められ、うんざりしているって?昔からWindows XPやWindows 7を使っているユーザーはどうすればよいのだろうか?そういった場合にはLinux Mint、特にCinnamonというデスクトップ環境を搭載したエディションがお勧めだ。
Chrome OSや、UbuntuのUnityとは異なり、Linux MintのCinnamonエディションは、Windowsユーザーが使い慣れてきたWIMPインターフェースを採用している。操作方法がWindows XPやWindows 7と1対1で対応しているわけではないが、WindowsユーザーであればCinnamonを快適に使えるはずだ。
また、「GNOME 2.x」スタイルのインターフェースに慣れ親しんでいるLinuxユーザーも、Cinnamonを快適に感じるはずだ。GNOME 2.xに愛着がある人向けとしては他に、Linux Mintにも統合されている「MATE」というデスクトップ環境がある。Cinnamonが「GNOME 3.x」デスクトップをベースにしているのに対し、MATEはGNOME 2.xからフォークされたものだ。なお、Linux MintにはMATEエディションも用意されている。
使用し続けたいWindowsアプリがある場合、Linux上でWindowsアプリを実行させる「CrossOver Linux」を試してみるのもよいだろう。あらゆるWindowsアプリを実行できるというわけではないが、意外なほどうまく動作してくれる。