デスクトップ用のLinuxディストリビューションは星の数ほどある。このため、Linuxを使ってみたいと考えている人も、どれがよいか迷っているのではないだろうか。しかし幸いなことに、自分にぴったりなものを見つ出すためにすべてのディストリビューションを試す必要はない。
筆者にとって一番のデスクトップ環境は、「Linux Mint」の「Cinnamon」を自分なりにチューンアップしたものだ。しかし、世の中には数多くのディストリビューションがあるため、どのようなニーズを持つユーザーでも、ぴったりなものを見つけられるはずだ。
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重要なのは、「何のためにLinuxを使用するのか?」という点だ。この問いに答えられれば、後は簡単だ。
筆者のことを知らない人のために書いておくと、筆者はLinuxが誕生した2年後、すなわち1993年からデスクトップ向けのLinuxを使用してきている。その時以来、筆者はさまざまなLinuxディストリビューションを使ってきており、Desktop Linuxというウェブサイトを運営していた経験もある。そして現在、3種類のデスクトップ用Linuxを日常的に使用している。つまり、デスクトップ用Linuxについては一家言持っているというわけだ。
では、さまざまな希望を持っているユーザーごとに、お勧めのディストリビューションを解説していくことにしよう。
#1:ウェブがあればデスクトップ環境は要らないという人
あらゆる作業をウェブでこなしているのだろうか?文書作成時には「Google Docs」を、個人的な会計処理にはIntuitの「Mint」を、電子メールには「Gmail」を使っているのだろうか?そうであれば、Googleの「Chrome OS」がお勧めだ。
Chrome OSは「Chromebook」のOSだが、「Gentoo Linux」をベースとする、れっきとしたLinuxだ。しかしChrome OSは、縁の下でウェブブラウザを支えることを目的として作られているのだ。
Linuxである以上、Chrome OS上でシェルインターフェースを起動することももちろん可能だが、その必要はないだろう。Chrome OSは「Chrome」ブラウザをインターフェースとして採用しているため、この記事を読んでいる人であれば、誰でも使い方は分かるはずだ。
Chrome OSは、Chromebookを購入しなければ使えないというわけではない。Neverwareという企業は「CloudReady」というプログラムを提供している。CloudReadyを使えば、古くなった「Windows XP」マシンやAppleのコンピュータを、より役立つ、そしてよりセキュアなChrome OSベースのシステムに変えることができる。
正確に言うと、これによって稼働するのはChrome OSではなく「Chromium OS」、つまりオープンソース版のChrome OSだ。ChromebookはGoogleの商標登録製品であるため、厳密にはChrome OSを稼働させているわけではないが、実質的な違いは何もない。