その他のRed Hat Cloud Suite製品には、次のものが含まれる。
- 横断的な運用やライフサイクルの管理、セルフサービス、インフラストラクチャの監視などの、統合された管理体験。これらの「Red Hat Satellite」の強力な管理ツールを利用すれば、導入、設定、パッチ、およびサブスクリプション管理のローリングアップデートを行うこともできる。また、新しいセルフサービスカタログは、顧客が導入するサービスのライフサイクル、運用、財務管理までカバーしている。
- リスク管理とアナリティクスの機能を持つ新しいインフラストラクチャ管理機能が追加された。この機能は、積極的にインフラストラクチャのアナリティクスを収集し、これを利用することで、顧客は運用に影響を及ぼす前に技術的なリスクを管理することができる。新しくリリースされた運用管理サービスである「Red Hat Insights」は、Red Hat OpenStack Platformや、Red Hat CloudForms、Red Hat Satelliteを横断的に監視する機能を持つ。
- 仮想マシン間のマイグレーションが単純化された、新たにアップデートされた「Red Hat Enterprise Virtualization」を含む、KVMベースの仮想化プラットフォーム。
- Red Hat OpenStack Platform 8の一部としてRed Hat Ceph Storageが組み込まれたことで、オープンで大規模にスケーラブルなソフトウェア定義ストレージが利用可能になった。
これらを総合すると、Red Hatはおなじみの戦略を取ろうとしていることが分かる。Red Hatは以前のDECやIBMのように、顧客のニーズをすべて満たすことができる、オールインワンのソフトウェアスタックを提供しようとしているのだ。プライベートクラウドの立ち上げは簡単な作業ではないため、このアプローチは多くの顧客の獲得に役立つと予想される。
唯一欠けているものがあるとすれば、ハードウェアパートナーだろう。しかし、実際にはそうでもないかもしれない。
Red HatがRed Hat OpenStack Platform 8を発表したのと同じ日に、DellはRed Hat OpenStack Platform 8を使用した統合オープンクラウドソリューションである、「Dell Red Hat OpenStack Cloud Version 5.0」をリリースするという発表を行っている。その特長は次の通りだ。
- 新しい柔軟なリファレンスアーキテクチャ。このリファレンスアーキテクチャは、最適化されたコンピュート、ストレージ、およびネットワークの設計について詳細に記述された検証済みのコアアーキテクチャを提供し、検証済みの拡張機能も幅広く用意されている。
- 「Red Hat OSP Director」で統合されたすべてのレイヤ、ハードウェア、ソフトウェアにわたる導入の自動化。
- OpenStackのシームレスなインプレースバージョンアップグレード(Liberty以降のアップデート)。
- 最新世代の「Intel Xeon E5-2600V4」(Broadwell)プロセッサを搭載した、「Dell PowerEdge R630/R730xd」第13世代サーバ。
- 障害時にダウンタイムを最小化する、高可用性。
- ダウンタイムなしでホスト間でVMを移動させる、ホストのライブマイグレーション。
Red HatとDellが直面するプライベートクラウド市場の競争は激しいが、これらの取り組みは、両社が勝ち残ろうとしていることを示している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。