OSSとビッグデータアナリティクス

ビッグデータの本質は「アナリティクス」の繰り返し - (page 3)

島田 茂(日本テラデータ)

2016-05-10 07:30

包括的なアーキテクチャ

 人の思考過程そのものあるアナリティクスの基本は、OSSを活用する環境においても変わらない。反復的なアナリティクスのプロセスを包括的に加速するためにはアーキテクチャが重要となる。

 何を目的として、どのような考え方でアナリティクスを始めるか、より大きく複雑なデータを蓄積し、効果的、効率的に扱うために、どのようなプロセスや手順でデータを取り扱うか、そして各ユーザーがアナリティクスの結果から示唆を抽出できるようにどのように見せるかを統合して扱える時代になった。

 この統合された包括的なアーキテクチャはシンプルに5つのステップ、機能が必要だ。

  • さまざまなソースからデータを取得する
  • データの格納方法・場所
  • 分析用データセットの加工・作成
  • さまざまな分析手法の組合せ
  • 各ユーザーに合わせた分析結果の見せる化

 上記、取り組みの代表的なコンセプトとしてガートナーが提唱し始めたロジカルデータウェアハウス構想がある。オンプレミスとクラウドのハイブリッド環境、商用ソフトウェアとHadoopなどのOSSを組み合わせたエコシステムによる包括的なビッグデータ対応アーキテクチャであり、論理的には一つの巨大なデータウェアハウスと考える概念だ。

 本稿では、上記5つの要素を中心に、アナリティクスのためのOSS活動・ソリューションを紹介しながら、ビッグデータ対応の包括的アーキテクチャによる統合的アプローチの勘所などを解説していく。

島田 茂
日本テラデータ プロフェッショナル・サービス本部 ビッグデータ分析ラボ 部長
プロフェッショナル・サービス本部ビッグデータ分析ラボを統括。過去には、先進ITソリューション・製品の研究開発を大手IT会社にて国内および国外(主に米国・英国)の研究所で従事。その後、グローバル企業における日本法人の営業経験を通じて、経営に興味が高まりOSSを普及させるベンチャー企業を設立。テラデータの新たなチャレンジに魅せられ日本テラデータに入社、ビッグデータ分析ラボ(通称BAL:バル)を立上げ、今に至る。5月19日に開催予定の「TERADATA UNIVERSE TOKYO 2016」では、「オープンソースにコミットするテラデータ 分析エコシステム」(ランチセッションL1:12:00開始)と題したセッションで講演予定。島田氏のほか、共著者は次の2人。日本テラデータ ソリューション・セールス・スペシャリスト 長谷川 亮氏、日本テラデータ プロフェッショナル・サービス本部 ビッグデータ分析ラボ コンサルタント 樫下 茂氏。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    マンガで解説!情シスが悩む「Microsoft 365/Copilot」の有効活用に役立つ支援策

  2. 運用管理

    データベース管理の課題を一挙に解決!効率化と柔軟性を両立する新しいアプローチとは

  3. セキュリティ

    新入社員に教えるべき情報セキュリティの基礎知識--企業全体を守るための基本ルールを徹底解説

  4. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  5. ビジネスアプリケーション

    AIエージェントの課題に対応、生成AIの活用を推進するための5つのデータガバナンス戦略

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]