Dellは米国時間4月26日、キャンパスネットワーキングとデータセンターネットワーキング向けとして新たな機能とプラットフォームを発表した。これにより、同社のDell Networkingソリューションがさらに推し進められることになる。
Dellは、Linuxをベースとした同社の「Operating System 10(OS10)」の開発を推し進めていると発表した。そのベースモジュールを支えるのは「Open Compute Project(OCP)」による「Switch Abstraction Interface(SAI)」であり、同プラットフォームは大規模データセンターを念頭に置いて設計されたものとなっている。同社はOS10を、OCPや、Microsoftの「Software for Open Networking in the Cloud(SONiC)」といったオープンソースコミュニティーのプロジェクトとも統合していくという。

提供:Dell
Linuxベースのネットワークスイッチというのは目新しいものではない。最近の製品を見るだけでも、Cumulus Networksの「Cumulus Linux」や、「Open vSwitch」「Switch Light」といったOSが採用されている。とは言うものの、Dellが自社のハードウェアでLinuxを全面的に採用するというのは特筆に値する。
OS10を管理するためにDellは、Red Hatの「Ansible」というDevOpsツールを採用している。Red HatのAnsibleエンジニアリング担当シニアディレクターであるTim Cramer氏は「OS10はネイティブなLinux環境内で動作するため、『Ansible Tower』との統合は極めてストレートなものとなる」と述べるとともに、「今や顧客は自動化された自社のIT環境内に、Dellのスイッチ製品を容易かつ迅速に配備できるようになったため、運用コストの削減とともに、コンフィギュレーション管理におけるサーバ並みのアジリティが実現できる」と述べている。
ロードバランシングについては、F5の「Application Delivery Controller(ADC)」が採用されている。これにより、スケーラビリティの高い配備を実現する、ネットワークサービスをまたがるアクティブなクラスタ同士のロードバランシングが可能になる。
LANとWANのギャップを埋めるために、DellはSilver Peakと提携した。Silver Peakは、パブリッククラウドとプライベートクラウドをまたがったかたちでのデータセンターと拠点間の接続を可能にする、ソフトウェア定義WAN機能を提供している。
さらにDellは、同社の「One Network」キャンパスネットワーク戦略の一環としてAerohiveと提携し、新たなクラウドベースのネットワーク管理システムを提供する。両社のブランドを掲げたソリューションとして、「Dell Networking N」シリーズと、Aerohiveの「Access Points」がAerohiveの「HiveManager NG」に組み込まれる。ユーザーを中心に据えたカスタマイズ可能なインターフェースにより、エンドユーザーによるアクセスが簡素化される。
これらの新しいソフトウェアのほかに、Dellは10G配備を加速化するために最適化した、2つのラック型プラットフォームも発表した。
「S4048T-ON」と「S6010-ON」は異なったニーズに対応する製品だが、いずれも以下の特徴を備える。
- エンタープライズコンピューティングや、中規模コンピューティング、高パフォーマンスコンピューティングの要求を満たすよう設計されている。
- クラウド顧客やWeb 2.0顧客に対して、完全にテスト、検証されたサードパーティーのOSを搭載したオープンネットワーキング環境を提供するための「Open Network Install Environment(ONIE)」に準拠している。
- VXLAN向けの先進機能が提供されており、Dellの他製品と比べるとより大きなテーブルと拡張されたバッファリング機能が搭載されている。
両製品の出荷開始は5月中旬になる予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。