米SAS Instituteは、ラスベガスで4月19日に開催したSAS Global Forumで「SAS Analytics for IoT」を発表した。
発表したSAS Analytics for IoTは、膨大なデータを分析するSASの専門知識をIoTセンサやデバイスに適応する実証済みのソフトウェアパッケージとなっている。
蓄積するIoTデータを分析し、データに基づいた意思決定を支援。これにより安全性の向上、負傷事故の削減、製品品質が向上することで、業務の改善につながるという。
SASがAnalytics for IoTで期待できるとする効果は以下の通り。
重要なデータの発見
インテリジェントフィルタリング機能により関係性のあるものだけを抽出する。全データを保存することによるコスト高を回避する。
データに潜むシグナルを読み取る
コネクテッドエコシステム全体でIoTデータをマイニングして分析できる。IoTデータとコンテキストデータとを組み合わせてデータマイニングすることで、関心分野をパターン化して分類できる。
スピードと規模、自信を持ったアクション
SAS Analytics for IoTはデータストリーム自体をパワフルに分析、単純なアラートから複雑な自動応答まで、シグナルが発生したとき、そのシグナルに基づいて取るべき行動をリアルタイムに起こせる。
SASのIoT向け製品管理担当ディレクターのJason Mann氏は、以下のように述べている。
「SASは40年間に渡って、ノイズと思われるデータから価値のあるパターンを見つけ出してきました。昨今、IoTから価値を見出すのに企業が苦労しているという話を聞きます。このビジネス課題の解決にSASの持つ能力を注力する」
SASは、センサなどのデバイスから集積されるデータの分析ソフトウェアを提供する。例えばフィンランドの産業用クレーンメーカーであるKonecranesは、SASを活用してセンサーから集積されるデータを意思決定に役立てている。
Konecranesの最高デジタル責任者(CDO)のJuha Pankakoski氏は、以下のようにコメントしている。
「数百万台ものリフト装置や工作機械の稼働状況をリアルタイムで把握するというわれわれのビジョンを支えているのがアナリティクスの活用です。当社では業務をより安全で効率的にするためにこれらのデータを休みなく集めています。SASを利用して装置や顧客のデータだけでなく、運転方法や機器の稼動状態のデータも分析しています。ビッグデータと信頼性の高い分析とシミュレーションの統合が当社の予測能力を高めています。以前は5つの変数について数分間のデータ履歴から各装置の故障を予測していましたが、今では数百もの変数と4年間分のデータ履歴を使ってメンテナンスの必要性や一連の装置の故障を予測することができます」