トロンフォーラムは4月27日に、日本、米国、英国、オランダ、スイス、台湾などを拠点とする世界6カ国7社の半導体メーカーである東芝マイクロエレクトロニクス、ルネサス エレクトロニクス、Cypress、Imagination Technologies、Nuvoton Technology、NXP Semiconductors、STMicroelectronicsとともに、IoT環境でのサービス発見や連携などを進める「Open IoT Platform」とIoT機器の開発基盤である「IoT-Engine」の両プロジェクトを開始すると発表した。
Open IoT Platformの概念図
Open IoT Platformは、トロンフォーラム会長の坂村健氏が提唱する「アグリゲートコンピューティング」を実現するためのOpen IoT環境の中でのサービス発見とサービス連携を行うためのアクセスコントロールのためのプラットフォーム。東京大学大学院情報学環ユビキタス情報社会基盤研究センターが協力して開発、標準化していく。
アグリゲートコンピューティングについて、組み込みコンピュータのAPIをオープン化し、組み込みコンピュータ同士または組み込みコンピュータとクラウドが協調動作し、インターネットを含む広域分散システムが総体として「aggregate」(動作)する、新たなIoTのコンピューティングモデルとそれに基づいたプラットフォームシステムと説明している。
IoT-Engineは、このOpen IoT PlatformにつながるIoT機器開発のための標準開発環境。IoT機器中に搭載するのに適した低消費電力無線通信機能を搭載したMPUモジュールで、6LoWPANボーダルータを介して、クラウドとIoT機器がセキュアな通信を行うことができる。
機器制御OSとして高いシェアを持つTRONリアルタイムOSシリーズ「μT-Kernel2.0」をベースに、クラウドプログラムとの親和性の高いプロトコルスタックを搭載。Open IoT Platform対応により、異なるメーカーのIoT製品がクラウド間の連携機能により、総体的に連動できるようにする。
このOpen IoT PlatformとIoT-Engine構想に対し、今回、世界6カ国7社の半導体メーカーが開発や製品化に協力。パーソナルメディアやユーシーテクノロジが各社のIoT-Engineの販売やソフトウェア開発キットを提供する。