Amazon Web Services(AWS)は米国時間5月18日、「Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)」上で「X1」インスタンスの提供を開始したと発表した。メモリが2テラバイトというX1は、SAPのインメモリデータベース「SAP HANA」を稼働させている法人顧客のサポートを念頭に置いたものだ。
AWSが語ったところによるとX1は、競合企業が提供している「現在利用可能な」SAP認定インスタンスタイプのどれよりもメモリ量で勝っているという。この説明は、Microsoftが「Microsoft Azure」で新たにHANAをサポートし、3テラバイトというインスタンスを提供すると発表したことを意識していると考えられる。
X1インスタンスは、2.3GHzの「Intel Xeon E7 8880 v3(Haswell)」を4基搭載し、専用のEBS帯域幅は10Gbpsとなっている。
AWSによると、X1インスタンスは「SAP S/4HANA」「SAP Business Suite on HANA(SoH)」「SAP Business Warehouse on HANA(BWoH)」向けに認定されているという。
X1は18日より、利用申請をすれば、米国東部(バージニア北部)、米国西部(オレゴン)、欧州(アイルランド)、欧州(フランクフルト)、アジアパシフィック(東京)、アジアパシフィック(シンガポール)、そしてアジアパシフィック(シドニー)リージョンで利用可能だとAWSは述べている。他のリージョンでも数カ月中に提供する予定だ。
X1インスタンスは、米国東部(バージニア北部)リージョンの場合、3年契約の一部前払いで1時間あたり3.970ドルで利用できる。オンデマンドの価格については明らかにされていない。技術的な情報の詳細は、AWSのFAQページで確認できる。

X1インスタンスの概要
提供:AWS
AWSは17日、同社クラウドでSAPのアプリケーションを利用する主要な顧客について説明した。GE Oil & Gas、Kellogg's、Brooks Brothers、Ferrara Candy Company、GPT Group、Hoya Corporation、Lionsgate、 Macmillan Publishers India、RWE Czech Republic、Zappos.com、Bart & Associatesといった企業が挙げられている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。