最も高度な技術に投資する--Under Armour
後半には、S/4 HANAを導入してビジネス上の効果を得ている顧客として、Under Armour、Burberry、Sabreの3社から代表者が登場した。
Under Armourで最高情報責任者(CIO)を務めるPaul Fipps氏は、HANAで“再プラットフォーム”した理由として、「われわれは成長企業。スピードが大切」とする。同社は2015年、年25%増で2018年まで成長するとの見通しを立てており、そこで技術ができる役割は大きい。
「最も高度な技術に投資している」とFipps氏。「顧客の期待は常に変化しており、欲しい時に欲しいものを得たいと思っている。われわれは常にDisruptionを考えている」と続けた。
Sabreは1990年代前半にSAPを実装、それ以来の顧客だが、古いシステムでは変化のスピードについていけないという課題があった。そこで、2015年10月にS/4 HANAにマイグレーションすることに。Sabreの技術担当バイスプレジデントのSteve Strout氏は、マイグレーションについて「簡単ではなかった」と振り返るが、特徴的なのが、これまでのようにSIパートナーを使わず自社でやったという点だ。
「自分たちのものにしたかった」と語る。合わせてシステムの簡素化を進め、SuccessFactorsなどのクラウドアプリケーションの導入も進めている。
Burberryの最高情報責任者(CIO)、Fumbi Chima氏は、オンライン販売とオフライン(店舗)販売の両方の土台をS/4 HANAに統一し、「SAP Retail」などを使って環境を構築している。PaaSのSAP HCP(HANA Cloud Platform)もアプリ開発プラットフォームとして利用するなど先進的事例となっている。「顧客の行動は常に変化しており、デジタルコアを中核に対応していく」と方針を語る。「SAPは技術パートナーというより、ビジネスパートナー」と述べた。
左からSAPのBill McDermott氏、BurberryのFumbi Chima氏、SabreのSteve Strout氏、Under ArmourのPaul Fipps氏
世界のトランザクションの76%がSAPのシステムを介している。「SAPを特別にしてくれるのは、顧客のおかげ」とMcDermott氏は会場に向かって感謝の意を述べた。