コンサルティング強化で差別化を図る:日本テラデータ事業戦略

鈴木恭子

2016-05-20 19:30

 日本テラデータは5月19日、同社の年次プライベートイベント「Teradata Universe Tokyo 2016」を開催した。「Data. Changes. Everything」をテーマに掲げた同イベントでは、米本社エグゼクティブバイスプレジデントのDan Harrington氏やTeradata Labsでプレジデントを務めるOliver Ratzesberger氏らが登壇。グローバルでのビジネスと技術戦略を説明した。

 Harrington氏はグローバルでのビジネス戦略について、「分析エコシステム」「分析ソリューション」「多様で柔軟な実装形態での製品提供」を挙げる。特に実装形態では、オンプレミス、マネージドクラウド、パブリッククラウドで展開しており、「すべての実装で共通の機能を利用できる。パブリッククラウドだからといって機能が制限されることはない」と、そのメリットを語った。

Teradata エグゼクティブバイスプレジデントDan Harrington氏
Teradata エグゼクティブバイスプレジデントDan Harrington氏

超並列処理プラットフォームを採用したIntelliFlex
日本テラデータ 代表取締役社長 吉川幸彦氏
日本テラデータ 代表取締役社長 吉川幸彦氏

 一方、Ratzesberger氏は、グローバル技術戦略として、オンプレミスからパブリッククラウドまで、あらゆる環境でTeradataが利用できることを強調。4月に発表された「Teradata IntelliFlex」を紹介した。

 オンプレミス環境で利用するTeradata IntelliFlexは、超並列処理(Massively Parallel Processing: MPP)プラットフォームを採用したデータウェアハウス(DWH)である。インメモリ技術を採用しており、既存のTeradata Data Warehouseと比較して、最大3倍のパフォーマンスという。

 Ratzesberger氏は、「IntelliFlexは、ファブリックベースのMMPを採用しており、拡張性に優れる。ダウンタイムの87%を削減し、ホットスタンバイハードウェアの75%削減したことで、パフォーマンス維持性能を改善した」と説明する。

 CPUにはデュアル8コア「Intel Xeon E5-2620 V4」シリーズを採用、ストレージはソリッドステートドライブ(SSD)とハードディスクドライブ(HDD)を組み合わせたハイブリッドストレージで、データのアクセス頻度に合わせ、格納するストレージを自動的に選択する。IntelliFlexは、2016年第3四半期中の出荷が予定されている。

日本ではコンサルティング分野に注力

 日本テラデータで代表取締役社長を務める吉川幸彦氏は、日本での2016年のビジネス戦略を説明した。

 日本でも「分析コンサルティングのフォーカス強化」「分析ソリューションの拡充と展開」「顧客とのパートナーシップ」の3分野を強化していく。昨年来より日本テラデータではコンサルティング部門を拡充しており、約100人のコンサルティング担当者を擁する。特に、分析コンサルティングの分野では、分析コンサルティングサービスとして、「Rapid Analytic Consulting Engagement(RACE)」を提供していくという。

 RACEはTeradataのデータ分析の経験と知見をフレームワーク化し、分析のプラン作成から準備、モデル作成とその検証までを支援するもの。吉川氏は、「RACEによって従来は半年以上かかっていた初期コンサルティング分析が2カ月程度に短縮される」と説明する。

 特に最初の段階であるプラン作成では、Teradataが30年培った分析のノウハウと、これまでのユースケースを参照する。また、分析モデルの作成では、同社の「Teradata Aster」「Teradata Aster AppCenter」のツールを活用し、ディスカバリー作業を迅速に展開する。「プロジェクト開始までの時間を短縮することで、コストと時間を圧縮できる」(吉川氏)とのことだ。

Rapid Analytic Consulting Engagement(RACE)のサービスの流れ。プロジェクト開始までの時間を短縮することで、競争力強化につなげる
Rapid Analytic Consulting Engagement(RACE)のサービスの流れ。プロジェクト開始までの時間を短縮することで競争力強化につなげる

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