NEC、IoT時代に対応したPLMソフト新製品「Obbligato III R4.1」を発売

NO BUDGET

2016-06-13 14:09

 NECは6月10日、設計図面や仕様書、部品表などの製品技術情報を一元管理する製品ライフサイクル管理(PLM)ソフトウェア「Obbligato III R4.1」を販売開始した。税別価格は最小構成で360万円から、12月から出荷開始する。

IoTを活用した次世代ものづくりにおけるPLMの役割
IoTを活用した次世代ものづくりにおけるPLMの役割(NEC提供)

 NECでは、モノのインターネット(IoT)を活用した次世代ものづくりを支える「NEC Industrial IoT」において、自律制御により最適な生産を可能とする「プロセスイノベーション(つながる工場)」と、製品の付加価値を高める「プロダクトイノベーション(つながる製品)」を支える製品を提供している。また、小売、物流、製造などのエンタープライズ領域でグローバル提供する製品サービス「NEC Global Enterprise Solutions」の拡充も進めている。Obbligato IIIはこれらの中核となるソフトウェアの1つであり、日本製造業の競争力強化と事業成長に貢献するものとされる。

BOMとBOPの統合管理

 PLMにおいて、これまでの「どんな部品をいくつ使って作るか」という製品構成情報(BOM:Bills of Material)の管理だけでなく、「どの工程で」「どのように」「何の設備や治工具を使って作るか」といった製造プロセス情報(BOP:Bills of Process)もあわせた統合管理を実現。

 現在の日本の製造業においては、BOPを工場ごと、または属人的に紙やExcelで管理している企業が多くあることや、生産技術者の高齢化や退職が進むことによる製造ナレッジの共有や継承が課題となっている。また、BOPの標準化が進んでいないことから、グローバルな生産拠点全体で一貫したものづくり品質を維持することが難しく、需要変動や不測の事態の際のグローバル製造拠点の立ち上げや生産移管に時間がかかるといった課題もある。

 BOMとBOPの統合管理はこうした課題に対応するもので、製造プロセスの共有や標準化をはじめ、工程や設備を意識した製品設計が促進され、生産準備までの期間が短縮されるとともに、設備の共通化による固定費削減が期待できる。また、ものづくりの基準情報であるBOMとBOPをPLM上に集約し、国内外の生産拠点へ配信、共有することで、グローバルで一貫したものづくり品質を確保。さらに、需要変動や不測の事態の際に、統合管理したPLMを共有することで、グローバル製造拠点の短期間での立ち上げや最適な製造拠点への迅速な生産移管にも貢献する。仕様変更や不具合が発生した際には、グローバル全体に影響がでる部品、工程、設備、担当者を特定することで、迅速に対処することが可能となる。

IoTによるリアルタイムな実績データを活用し、製造現場の効率を向上

 MES(Manufacturing Execution System:製造実行管理システム)と連携することで、生産指示情報を製造現場に迅速かつ正確に伝えることが可能。加えて、IoTにより製造現場の実績データをグローバルレベルで収集することで、MESで管理したリアルタイムな実績とBOPの差異を分析しながら、ライン構成や設備の設定条件が最適になるよう製造プロセスを継続的に改善し、製造現場の効率を最大化することが可能となる。

医療機器製造に関する米国法規制に対応

 Obbligato IIIは厳格な製品管理が必要な医療品機器メーカーにも多数の導入実績がある。今回の機能強化では、米国食品医薬品局(FDA)が制定した、医療機器の製造における電子記録、電子署名に関する米国連邦規制「21 CFR Part11」に対応した。従来のセキュリティ機能に加え、イベント管理と文書管理の規則「21 CFR Part820」の対応を支援する機能を提供。

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