IBMは成果を手にできるのか?
この動きにおいて、IBMは昔ながらの戦略を採用している。同社のサービス部門は、あらゆるものに対して取り組むことで知られている。この部門はIBM製品に軸足を置いているが、実際の配備が何であるかは意識しない。その使命はシステムを統合し、料金の請求に値する仕事をするというものだ。cloudMatrixでIBMがやろうとしていることは、今までと大差ない。IBMは、顧客が望むのであれば競合企業のクラウドであっても再販するというわけだ。GoogleがAWSを再販することなど想像できるだろうか?GoogleはAWSのインスタンスを管理するかもしれないが、それはより多くのワークロードを自らの元へ導くための戦略でしかないはずだ。
IBMによる価格データと充実したクラウドオプションの提示は、さまざまな点において、保険会社のProgressiveがやっていることとよく似ている。Progressiveは価格と市場の対比を見せることで、最低価格を提示できない場合であってもビジネスと信頼を勝ち取っている。
IBMによるcloudMatrixのローンチによる成果は早い時期に得られそうだ。IBMがGravitantの買収によって手に入れた顧客ベースは、買収以前から投資に見合うだけの利益をもたらしていたのだ。同社はこの顧客ベースをさらに拡大しようとしている。Patterson氏は、銀行業界や食品業界の企業でcloudMatrixが実際に利用されていたことに言及した。同氏によると「主なユースケースはクラウドの利用だった」という。
IBMは、cloudMatrixを活用し、時とともにより多くの配備モデルを作り出そうとしている。Patterson氏は「cloudMatrixは、デシジョンツリーやパターンを活用することでより賢く立ち回り、リコメンデーションに向けた、プロバイダーとワークロードのより優れたマッチングを行えるようになる」と述べるとともに、「配備の数が増えるにつれ、その価値も高まっていくはずだ」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。