デジタル変革の処方箋

保険会社のデジタル化--英国では3割がAIに対応へ、日本は遅れ:アクセンチュア

山田竜司 (編集部) 2016年07月08日 12時01分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 アクセンチュアは7月7日、2015年に400社以上に実施した世界の保険会社のマーケティングや営業の調査に関する説明会を開催した。調査では「デジタル化の加速」「保険会社と代理店の役割の再定義」「イノベーション」など3つのトレンドが見られたという。海外では顧客データやAIを活用したサービスが立ち上がりつつあり、日本におけるデジタル化の取り組みの遅れを示す結果が出た。

デジタル化の加速

 自動車保険の領域では現在、紙での申し込み処理をタブレットで代替する「申込処理のデジタル完結(24%)」といった活用が推進されつつあり、既にデジタル化が一定水準進んでいる。3年後までに約半数の保険会社が「商品情報の提供」や「見積の取得」など販売プロセスのデジタル化を進めるという。

 生命保険では、申込時の必要提出書類や審査が損害保険よりも厳しく、例えば「申込処理のデジタル完結(20%)」という数字は自動車保険に比べ低い。一方、2015年にライフネット生命保険が、契約時の必要書類を携帯カメラで撮影しウェブサイトから提出できるサービスを開始し、デジタル化の潮流があるという。

 デジタル投資実行中または計画策定済みと回答した割合は、それぞれドイツ(45%)、米国(38%)、イギリス(37%)であるのに対し、日本は(13%)程度という結果が出た。


各国のデジタル化に対する投資スタンス
日本を除く成熟国では、デジタル投資への意欲が圧倒的に高い。中国は基幹系システム・プロセスの整備を優先する意向(アクセンチュア提供)

保険会社と代理店の役割の再定義

 デジタル化により、顧客と接点をもつチャネルのバリエーションが増え、各国の保険会社では、顧客データの一元化に取り組んでいるという。

 保険会社が代理店に対しより高度な管理体制を築くための施策として、(1) 顧客の人生設計や行動特性などを分析することを目的にした「保険会社と代理店の顧客を一元管理する基盤構築」 (47%)、(2) 自社に利益をもたらす“優良顧客”を発掘するために「顧客セグメンテーションを担う機能」(47%)を重視するという結果が出た。日本では保険会社と代理店間で顧客情報を一元管理する施策は17%にとどまった。

 一方、直接顧客との接点をもつ代理店は、「ソーシャルを活用したマーケティング(50%)」や「顧客との継続的なコミュニケーション(44%)」など販売後の施策に取り組むという。顧客の趣味趣向や健康状態といったデータを収集、統合し、持続的な関係構築のための施策が必要になるとした。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

連載

CIO
トランザクションの今昔物語
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
「企業セキュリティの歩き方」
「サイバーセキュリティ未来考」
「ネットワークセキュリティの要諦」
「セキュリティの論点」
スペシャル
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
展望2017
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
より賢く活用するためのOSS最新動向
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
米株式動向
日本株展望
企業決算