アシストと日本ナレッジは7月15日、アシストが提供する標的型攻撃対策製品「ダブルブラウザ・ソリューション」のオプション製品として、「ダブルブラウザログオプション」と「ファイル共有オプション」の提供を開始した。
ダブルブラウザ・ソリューションは、標的型攻撃などのサイバー攻撃やランサムウェアから機密情報やIT資産を守るため、仮想ブラウザ方式でインターネット分離を実現するもの。仮想ブラウザの実行環境としてWindowsとLinuxをサポートしており、両方を組み合わせて使用することも可能。
特にLinux仮想ブラウザは、ユーザー数分のRDS CALの購入が必要なWindows仮想ブラウザに比べてトータル導入コストを最大で半減できるため注目が集まっているとしている。今回の新オプションは、いずれもこのLinux仮想ブラウザ向け。
新たに提供開始となるオプション製品の概要と価格は以下の通り。
ダブルブラウザログオプション
ダブルブラウザ・ソリューションのLinux仮想ブラウザ実行プラットフォームである「IVEXダブルブラウザLinux」のウェブアクセスログを取得する。仮想ブラウザ方式の一般的な注意点として、プロクシサーバログに記録されるアクセス元のIPアドレスが全て仮想ブラウザ実行サーバのものになってしまうため、「誰が」どのURLにアクセスしたかを調べるにはプロクシ側でユーザー認証を実施するなどの方法を取る必要があった。それに対して、本オプションは、少ない追加コストでユーザーの利便性を損なわずブラウザ操作履歴(いつ、誰が、どのURLにアクセスしたか)を取得できるようにする。
ログオプションの製品エディションは、以前から提供していたWindows用に加えて以下の3種類となった。
- ダブルブラウザ ログオプション Advanced Edition:IVEXダブルブラウザLinux上のFirefoxの操作履歴(いつ、だれが、どのURLを閲覧したか)を取得。1ユーザーあたり、ライセンス価格800円、保守価格200円(いずれも税別)
- ダブルブラウザ ログオプション Enterprise Edition:Advanced Editionに加えて、検索条件を細かく設定でき、集計・レポートなどの機能を提供。1ユーザーあたり、ライセンス価格3000円、保守価格1000円(いずれも税別)
- IVEX Logger for Ericom Advanced Edition(Windows RDSサーバ用):Windows仮想ブラウザの操作履歴に加えて、多岐に渡るログを取得可能。なお、本エディションは以前からリリースされており、ダブルブラウザ・ソリューション用途に限らず利用可能。1ユーザーあたり、ライセンス価格4000円、保守価格800円(いずれも税別)
ファイル共有オプション
Linux仮想ブラウザを通じて取得したダウンロードファイルやウェブメールの添付ファイルを、ユーザーのWindows端末に取り込めるようにする。ファイル転送にはWebDAVを使用し、ファイル転送実施前にダブルブラウザLinux側でClamAVによるウイルスチェックを実施する。なお、未知のマルウェアを含めて対策したい場合にはVOTIRO SDSなどのファイル無害化製品も利用可能。
これにより、内部ネットワークとのファイル共有用に新たにサーバを準備する必要がなく、手軽にファイル授受が可能となる。ライセンス価格は1システム25万円(税別)、保守はIVEXダブルブラウザLinuxの保守サービスに含まれる。
また今後、ダブルブラウザ・ソリューションの基盤製品である「Ericom Connect」に対する機能拡張が予定されている。直近で予定されているダブルブラウザに関する主な機能拡張は以下の通り。
- 音声リダイレクト対応(8月予定):IVEXダブルブラウザLinux上のFirefoxで再生される音声をユーザーのWindows端末側で出力できる
- Linux仮想ブラウザで開いているページをローカルプリンタに印刷(10月予定):IVEXダブルブラウザLinux上のFirefoxのページをローカルプリンタで印刷できる