電通、超小型衛星による「宇宙ビッグデータ」を活用したビジネスを始動

NO BUDGET

2016-08-10 12:53

 電通は8月8日、アクセルスペースと連携し、超小型衛星のデータ解析を通じマーケティングサービスの開発に乗り出すと発表した。大量の画像の解析や情報の抽出に最新のAI技術を応用し、顧客ニーズに合わせて、カスタマイズしたサービスを提供する予定。またこれを機に、電通デジタルも「電通宇宙ラボ」に参画していくという。

 アクセルスペースは2008年設立、超小型衛星等を活用したソリューションの提案などに取り組んでおり、2017年には超小型衛星の打ち上げを開始し、2022年までには50基の衛星による世界全土の毎日観測開始を予定している。これにより、GPS位置情報などを含む画像データが、年間数ペタバイト規模で取得されるシステムとなる見通しであるという。電通は社内横断組織「電通宇宙ラボ」をこの6月に発足している。


2017年打ち上げ予定の超小型衛星

 “宇宙ビッグデータ”は世界中が注目し始めており、超小型衛星からの画像データに加え、GPS位置情報や急速に普及しつつあるIoT技術、それらを処理する機械学習などAIとの統合により、マーケティング活用も多方面で進み始めている。例えば、収穫量のモニタリング(農業)、人の流れに合わせた出店計画(流通)、グローバル規模での交通渋滞の把握(自動車)、世界で発生する山火事などの早期発見(林業)、北極海氷解時の最短航路計測(海上運輸)などが挙げられる。


衛星から得られる画像データの活用イメージ

 すでに民間企業による事業化が進んでいる米国だけでなく、日本においても民間の超小型衛星事業の動きが盛んになりつつあり、電通グループでは他に先駆け、2012年に宇宙ビッグデータをマーケティング活用するためのプロジェクトチームを発足し、海外の事例などを研究してきた経緯がある。そして今後、日本においても独自に衛星ネットワークの利用や所有が可能であることから、この領域が大きなビジネスチャンスになっていくと判断。今回のアクセルスペースとの協働ソリューション開発に乗り出した。電通宇宙ラボは、このソリューションにプロデューサー、デジタルプランナー、データサイエンティストを配置し、衛星の解析データと地上の多様なデータを掛け合わせていく。

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