テスターが端末を背負ってフィールドを移動、実データを収集
英IHS Markit、RootMetricsでChief Revenue Officer(最高売上責任者)を務めるScott Brady氏
英IHS MarkitでRootMetricsのChief Revenue Officer(最高売上責任者)を務めるScott Brady氏は、同社のモバイル回線の性能調査サービスの特徴を、「どのキャリアからも独立していて、消費者の視点に立った体感性能を、科学的な手法で調査していること」と説明する。
ショップで購入したモバイル端末と通信回線を使って、実際のフィールドで性能を測定する。テスト箇所(屋内、屋外、運転中)、時間帯(日中、夜間)、場所(都会、地方)など、さまざまな状況でテストを実施する。
性能測定のシチュエーション
テストシナリオは、通話やSMS、データのダウンロード/アップロードや電子メールなどの一連の作業で構成する。テストは、1サイクルで7分半を要する。これを繰り返して実行する。
テスターは、リュックサック型のテストキットを背負って、あらかじめ決められたルートを、決められた交通手段で移動する。テストキットには、各モバイル通信キャリアの端末が2台(日本では3キャリア×2で合計6台)積まれており、テスターが移動している最中に自動でテストケースを実行する。
総合性能を分かりやすくスコア化してWebで公開
一般に公開している簡易レポート(RootMetrics RootScoreレポート)は、総合的なパフォーマンスの評価となる。「総合パフォーマンス」「ネットワークの信頼度」「ネットワークスピード」「データ通信」「通話」「SMS」の6つの項目を100点満点でスコア化する。「膨大なテストデータを、シンプルで分かりやすいスコアに落とし込んでいる」(Scott Brady氏)。
RootScoreレポートが性能データをスコア化する際の指針
スコア化に当たっては、速ければ速いほど良いというわけではない。「ダウンロード性能が30Mビット/秒など、ある一定の速度が出ていれば、それを大きく超える速度が出ていても意味がないので、スコアには影響しない。それよりも、通信が安定している方がスコアに影響する」(Scott Brady氏)
東京の調査結果を元にしたスコアの例としては、総合パフォーマンスでNTTドコモとソフトバンクモバイルが同列1位、データ通信でソフトバンクモバイルが1位、SMSでキャリア3社が同列1位となった。