富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ(SSL)は10月6日、「Elasticsearch導入サービス」の販売を開始した。Elasticが提供するオープンソースソフトウェア(OSS)の分散型検索リアルタイム分析エンジン「Elasticsearch」の導入から運用サポートまでOSSの専門家がワンストップで支援する。
Elasticは、オランダのアムステルダムと米国カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、構造化データと非構造データをリアルタイムに検索、ロギング、分析など幅広いユースケースに利用できるソフトウェアを提供。Elasticserchのほかにデータ可視化ツール「Kibana」、ログ収集転送ツール「Logstash」、軽量のデータシッパー「Beats」といったオープンソースプロジェクトの開発メンバーで2012年に設立された。
Elasticsearchは、全文検索ライブラリ「Apache Lucene」を内包したOSSの分散型検索リアルタイム分析エンジン。文書を高速に検索できるだけでなく、コンピュータやネットワーク機器などが出力するさまざまなデータを収集し投入することで、リアルタイムに分析や解析を行うことも可能としている。スケーラビリティに優れているため、必要最低限のサーバ台数から運用を開始でき、データ量の増加に伴い処理能力が不足した際には、サーバを追加するだけで処理を分散し性能を保つことができるという。
Elasticsearchの利用例(富士通SSL提供)
富士通SSLは2006年からOSSの各種ソリューションやサービスの提供を開始しており、これまでのOSSの導入実績から得たノウハウを生かしたサポート対応で、ユーザー企業が安心して利用できるOSS環境を提供していると説明している。
Elasticsearch導入サービスは、ElasticsearchやLogstash、Kibana、Beatsをパッケージ化した「Elasticスタック」と拡張プラグイン群「X-Pack」を活用し、データの可視化やセキュリティ、アラートなどの拡張機能も提供する。X-Packは、サブスクリプションライセンス購入で利用できるセキュリティ、アラート、レポート、監視、グラフなどの拡張パッケージ群。
OSSの導入経験と技術力を持つ富士通SSLのエンジニアが、ユーザー企業の希望や要件をヒアリングし、ビッグデータを有効活用するための検索や分析の方法の検討、既存システム環境に影響の少ないシステム設計など、これまでの実績から得た独自のノウハウを生かし、トータルに支援する。導入後の運用については、Elasticの日本法人と連携し、充実したサポート体制を整えており、安心して導入サービスを利用できるとしている。
富士通SSLのOSS専門家が、ユーザー企業の希望や要件にあわせて検索や分析の方法の検討段階から導入、運用サポートまでワンストップで支援。Elasticsearchの導入効果をユーザーが判断した上で導入できるよう、導入効果の評価支援の作業として概念実証(PoC)も支援する。
OSSの導入に不安のあるユーザーでも安心して利用できるよう、富士通SSLがリセラーパートナーとしてElasticsearchと密に連携、より専門性の高いサポートを提供する。要件や予算にあわせて作成したサービスレベル品質契約(SLA)に基づき、最適なサポートサービスを提供する。
費用は個別見積もり。税別参考価格は、Elasticが提供するOSSのサポートとX-Packの利用を含むパッケージの場合、3ノードの年額サブスクリプションが196万5000円から。