Cisco Systemsは米国時間10月17日、ミーティングの生産性向上やコラボレーション関連のソフトウェアを手がけ、Worklifeとして事業を展開しているHeroik Labsを買収したと発表した。CiscoはWorklifeのプラットフォームを、自社のコラボレーションクラウド上で稼働する「Cisco Spark」に統合する計画だという。買収条件は明らかにされていない。
サンフランシスコに拠点を置くWorklifeは、仕事仲間がドキュメントやメモ、議題、タスクといったものをリアルタイムでやり取りできる仮想ミーティングプラットフォーム「Worklife」の開発で知られている。
Ciscoによると、WorklifeプラットフォームをSparkに統合することで、Sparkの既存機能を強化する計画だという。
CiscoのM&Aおよびベンチャー投資チームの責任者を務めるRob Salvagno氏は同社のブログに「Worklifeチームを迎え入れることで、Sparkプラットフォームが現在提供している仮想ミーティングのエクスペリエンスの向上を図るとともに、全体を通じてミーティングの生産性を高める機会が得られると考えている」と記している。
Ciscoにとって今回の買収は、職場でのコラボレーションという分野における同社のこれまでの取り組みや買収の延長線上にある。同社は何年も前から「Cisco WebEx」やSparkでこの分野に注力してきている。同社は2015年5月に、クラウド向けのAPIプラットフォームを提供するTropoを買収した。これによってCiscoは「コラボレーションPaaS」(Platform-as-a−Service)と呼ぶものを推し進めようとしている。
またCiscoは2015年11月、英国ロンドンに本拠を置く、ウェブ会議システムとコラボレーションシステムのベンダーAcanoをおよそ7億ドルで買収すると発表した。Ciscoは、この買収を通じて相互運用性とスケーラビリティという鍵となる分野での開発を加速させる計画だと述べていた。そして2016年3月には、Spark上の検索機能をさらに強化する目的で、アプリケーション検索ツールを手がけるSynataを買収している。
Worklifeについて言えば、新興企業の最高経営責任者(CEO)向けコーチを務めていたDave Kashen氏と、BritelyのCEOやMint.comの製品ディレクターを務めた経験があるVal Agostino氏によって2014年に創業された企業だ。現在のところ、Worklifeのオンラインミーティングソフトウェアはまだスタンドアロンの無償サービスとして提供されている。なおWorklifeチームは、CiscoのシニアバイスプレジデントJens Meggers氏が率いるクラウドコラボレーションテクノロジ事業チームに加わることになる。

提供:Cisco Systems
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。