遅れているIPv6への移行プロセスは新たな節目を迎えている。IAB(Internet Architecture Board)は米国時間11月7日、IPv4アドレスプールが枯渇しており、「この結果、(IPv4とIPv6の両方をサポートする)デュアルスタック環境とIPv6のみの環境の増加傾向は、今後ますます強まっていくだろう。このため、今後通信プロトコル標準は、IPv6を全面的にサポートする必要がある」と声明の中で述べている。
IABは、今後通信プロトコルのIPv6への依存が高まることから、IPv6の使用を前提に既存の標準を見直し、標準の説明でIPv6を使用した例を提供すべきだとしている。
また、「IABは、IETF(Internet Engineering Task Force)が今後、新たなプロトコルや拡張プロトコルにIPv4への対応を義務づけることをやめると期待している」とし、同時に「デュアルスタックや移行技術を用いたIPv4に対する後方互換性の提供は今後も当面必要とされる」とも述べている。
「標準化団体(SDOs)の課題は、策定した標準に存在する、異なる環境への移行を妨げる、あるいは遅らせる障害を取り除くことだ」(IAB)
2015年9月には、北米を担当する地域インターネットレジストリであるARIN(American Registry for Internet Numbers)が、北米向けのIPv4アドレスプールが枯渇したことを発表している。
GoogleのIPv6に関する統計ページによれば、世界的なIPv6の普及率は、ユーザーベースで14.6%に止まっている。これに対し、米国ではIPv6の普及率は30%弱に達している。英国では16%、ドイツでは27%となっている。アジア太平洋地域では普及が進んでいる日本で14%となっている。
また2016年5月には、AppleがiOSアプリのIPv6対応を義務化すると発表している。
(編集部注:本稿公開当初、タイトルと記事冒頭において、ここ数日でアドレスが枯渇したとIABが発表したかのような誤解を招く表現をしておりました。そのため、記事中の表現を修正させていただきました。誤解を招く表現についてお詫び申し上げます。)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。