ビズリーチは、11月16日、スマートフォン向け求職アプリである「スタンバイ」にチャット動画面接機能を加えたと発表した。この機能追加により、仕事を決定するまでの全てのステップをスマートフォンだけで完結できるようになる。企業・店舗側は、求人掲載ができる採用管理ツール「スタンバイ・カンパニー」アプリを活用し、同機能を使用できる。
求職者は応募した企業・店舗とチャットで面接日時を調整する。指定日時前になると、チャット動画面接の通知がされ、アプリを起動し、受話ボタンをタップして面接を開始する。
企業・店舗側は、面接中は求職者が登録した氏名や生年月日などの情報を確認しつつ、面接できる。また、ワンタップでアウトカメラに反転させ、会話しながら店舗の様子を見せられるとした。
「チャット動画面接」機能の利用イメージ
スタンバイは、スマートフォンなどのGPS機能を活用した求職アプリで、「キーワード」と希望の「勤務地」を組み合わせた検索により、複数の大手求人サイトの求人を横断して一括検索が可能。
ビズリーチでは、今回の機能追加の背景を、政府による最低賃金の改定や、年末商戦に向けての人手不足による時給引き上げの動きを挙げている。アルバイト・パート市場は売り手市場となっているとし、提示する条件だけでなく採用時の面接にも求職者のニーズに合わせた対応が必要だとしている。
スマートフォンでの動画面接について、これまでもウェブ会議などのサービスやウェブ面接システムを使って面接する企業は存在していた。スタンバイの開発を担当したビズリーチ 取締役の竹内真氏はこれらとスタンバイのチャット動画面接機能の違いについて、「求職アプリの中に動画面接の機能が含まれており、スマートフォンだけで採用に必要な環境を提供できる点が大きい」と説明する。
スマートフォンのアプリケーションだけで採用活動をすることにより、メールや電話を使わずに採用情報の入力などの手間を省き、採用活動にかかる時間を短縮できるとした。
また、求職者側も手軽に企業への応募が可能であり、応募時間が短縮できるほか、交通費が節約できる。リラクゼーション事業などを展開する「リラク」はスタンバイの「チャット動画面接」を採用予定だが、面接に進む求職者の離脱防止が目的だという。
「短時間で大量のアルバイトを雇いたい時や当日になって欠員が出た際など、難しい採用が楽になる。1人の従業員を雇うのに必要な手間や時間を減らしたい。企業の”高速採用”を実現したい」(竹内氏)
実際、ビズリーチの調査(有効回答数617人、調査期間2016年10月26日~31日)によると、アルバイトの面接について5割以上の人が面接会場に行くことが面倒、負担だと回答している。理由としては、「交通費を節約したい」が最も多く、次いで「面接するための移動時間を節約したい」「面接のためだけに現地に行くのが面倒」と続いている。
今回のサービスリリース後、スタンバイは海外での展開を見据えているという。日本以上にアルバイト採用ニーズが見込まれる地域があるほか、海外では電話やPCがなくともスマートフォンを所持している人は多いためだ。竹内氏は海外でも「スマートフォンだけで完結できる求職プラットフォーム」「採用にかかる時間の高速化」という点をアピールしていきたい考えを示していた。