ガートナージャパンは11月18日、日本企業のデジタルビジネスへの取り組みに関する調査結果を発表した。回答者の69.7%が「デジタルビジネスへの取り組みを行っている」ことが明らかになった。部門ではなく全社で取り組んでいると答えた企業の割合は前年比で20.1%から29.3%に増加、取り組みの成果が挙がっていると認識している企業は24.8%に上った。
2016年8月にインターネットを通じてアンケート形式で実施し、有効回答者数は165人。IT系の業務に携わるマネージャー層が回答者の多くを占めている。
日本企業のデジタルビジネスへの取り組み状況
だが、デジタルビジネスへの取り組みが7割弱に上る一方で、「デジタルビジネス戦略」を策定している企業は5割未満となった。このことから、2割の企業は戦略がないまま、戦術的あるいは機会追求的にデジタルビジネスに取り組んでいる、とガートナーは分析する。
さらに、デジタルビジネス戦略を策定している企業の中でも、IT戦略と連携させている企業は3割未満にとどまった。これについては、「デジタルビジネス戦略がIT部門の方針や中期計画とは別枠で考えられている状況が浮き彫りになった」としている。
デジタルビジネス戦略を検討、実行する際の促進要因については、「経営層のリーダーシップ」が76.4%で最多となり、「攻めの企業文化」が55.8%で続いた。
デジタルビジネス戦略を検討、実行する際の促進要因(複数選択可)
阻害要因については、5割前後の企業が「スキル、ノウハウの不足」(57.0%)、「危機意識の欠如」(55.8%)、「守りの企業文化」(53.3%)、「経営層の無理解」(49.1%)を挙げた。
また、IT部門がデジタルビジネスを推進する際に特に重要視しているテクノロジ要素については、「クラウド」「セキュリティ」「モバイル」「アナリティクス、BI」「人工知能」の順で上位を占めた。