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ブロックチェーン

アクセンチュアが開発した「訂正可能なブロックチェーン」の意義

山田竜司 (編集部)

2016-11-30 07:00

 アクセンチュアは11月29日、人的ミスの解決や法令、規制当局からの要求への対応、不法行為などへの対処といった非常時に有用な「訂正可能なブロックチェーン」のプロトタイプを発表した。銀行や保険、証券といった金融業界向けにこの技術の活用を検討しているという。

 このプロトタイプは、The Linux Foundationのオープンソースのブロックチェーン開発プロジェクト「Hyperledger Project」の中で開発され、海外では概念実証(PoC)の段階という。

 管理者が存在するパーミッション型ブロックチェーン(管理者によるアクセス制限が設定された)向けに使い勝手を上げる目的で開発されており、Bitcoinなど、パーミッションレス型のブロックチェーンを対象としたものではないと説明している。

 訂正可能なブロックチェーンは、システムのユーザーへの耐改ざん性は保ちつつ、必要な場合には、指定された管理者が決められたルールに従い、チェーンを破壊せずにブロックの訂正、削除が可能という。

 開発の背景にあるのは、ブロックチェーンの特質だ。ブロックチェーンで過去のブロックを変更しようとした場合、各ブロックが直前のブロックのハッシュ値(データ原本の真正性を担保するために用いる値)を含み、それがブロック同士をリンクさせてるため、ハッシュ値が変更されるとブロック間のリンクは失われ、計算が破綻する。これにより耐改ざん性を担保している。

 今回のプロトタイプでは、”カメレオンハッシュ”と呼ばれる新しいハッシュにより、2つのブロックを相互にリンクするアルゴリズムが秘密鍵によって再生成できるようにした。カメレオンハッシュにより、秘密鍵の使用が可能になり、チェーンを切断することなく、ブロック間のリンクを解除できる。カメレオンハッシュの秘密鍵は複数のピースに分割され、それらを保有する管理責任者全員の合意がなければ有効化されないという。


ブロックチェーンの訂正機能

訂正機能に対するガバナンス

 また、この発明では、ブロックを訂正したことを示す「足跡」が残り、ブロックが変更されたことを示す機能も備えているという。秘密鍵を使ってブロックを訂正すると、半永久的で変更不能な「足跡」が自動的に記録され、そのブロックに変更があったことを管理者などに示す機能だ。このためブロックチェーンのタンパーエビデンス性(未開封保証機能)は維持されるとした。

 従来のブロックチェーンでは、変更を受け入れる参加者が一定数に達しない限り、基本的にそれを拒否し、ブロックチェーンを変更せず元の状態が維持されるとともに、改変の証拠が記録される。

 一定数の参加者が変更に同意した場合、分岐が追加されて(ハードフォーク)チェーンの片方は問題のあるブロック上で終了し、もう片方のチェーンは訂正されたブロックから継続される。訂正する場合は、分岐以降の全てのブロックを再構築しなければならなかった。

 ハードフォークに対し、プロトタイプは特定の箇所に限定的な変更を加えることを可能にするものとした。

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