日曜日、英国のラグビークラブであるSaracensのスタジアムで、Aviva Premiershipのシーズン最後のホームゲームが開催されました。試合は、SaracensはExeter Chiefsに惜敗しましたが、試合は終始大歓声の中で行われ、最後のトライに向けたSaracensの攻撃ではスタジアム全体が緊張感に包まれました。
攻撃に沸く観客
このスタジアムで、来場者がスタジアム内でフードやドリンクを購入できる「スマートリストバンド」の実証テストが実施されました。リストバンドを利用した多くの来場者に意見を聞いたところ、「使いやすさ」「現金を取り出す手間がなくなる」点を評価していました。
さまざまなイベントでフードやドリンクの購入する際に、長い列を見てあきらめたという経験は、誰にでもあるでしょう。長年にわたりスポーツ観戦で多くの会場に行っているユーザーであれば、現金やICチップを搭載した「Chip & PIN」カードを使わずに決済できる環境をすばらしいと感じたはずです。
スタジアム内のフードショップ
スピーディにサービスを受けることができたというプラスの購買体験は、将来の売り上げ向上につながるでしょう。このため、ファンにとってはサービスがより迅速かつ便利に受けられるようになる一方、クラブは販売実績を増やし、収益基盤を飛躍的に高めることが可能になります。
スマートリストバンドを利用する観客
この実証テストには、Let’s Talk Tech社のFabio Virgi氏とGadgetsBoy社のTomi Adebayo氏の2人のブロガーも参加しました。
Virgi氏は次のように述べています。「使いやすいコンタクトレスリストバンドは、例えばスタジアムやミュージックフェスティバルといった、特にエンターテインメントのライブ会場で非常に大きなポテンシャルを持っていると思います」
「今日自分で使って感じたのは、リストバンドは安全性が高いということ、身に付けていたり支払いをしたりする際にも目立たないこと、また何よりもカスタムブランディングによって、ファンがクラブをサポートしている姿勢を示すことができるということです」
さらに、リストバンドを装着しているユーザーをより柔軟にコントロールできるというメリットもあります。Virgi氏は次のように述べています。「親子連れであれば、子供に現金を渡す必要がなく、このリストバンドであれば落としたりなくしたりする危険性が現金より低いため、子供に1000~2000円を安心して渡すことができるというメリットがあります」
スマートリストバンドでシームレスな体験を
Adebayo氏は「このリストバンドは、シームレスな体験を実現してくれました。今日のSaracens対Exeter Chiefsのように、どのようなスポーツイベントに行ったとしても、行列に並ぶ時間が短くなり、フードやドリンクをスピーディに購入できることが想像できます。また、使う金額だけをあらかじめチャージしておくことができるので、試合当日の支出も適切に管理できます。このように使う限度額を決められるので安全であるだけでなく、何よりも装着感が快適です」とコメント。
同氏にとって、多用途性も魅力的なポイントでした。「用途はスポーツイベントだけではなく、あらゆるコンタクトレス決済のサイトで利用でき、ロンドンの地下鉄でも使うことができます。英国ではまだApple Pay(※1)が利用できないので、このように別の企業が異なる方法でコンタクトレス決済を実現してくれるのはすばらしいことです」
現在このスマートリストバンドは試作品です(※2)が、Saracensは、完成版を次のシーズン開始までにオールシーズンチケットの所有者を対象に展開していく予定です。Saracensは機能範囲についても大規模なプランを構想しており、グラウンドへの立ち入りやクラブショップとの連携、さらにはスタジアムのどこに座っているのかという情報に基づいてターゲットを絞った提案までも行えるよう機能を拡張していく予定です。