ジェムアルトが打ち出す、IoTセキュリティとソフトウェア収益化戦略

松下康之

2016-09-13 07:00

 オランダのデジタルセキュリティベンダー、ジェムアルト(Gemalto)は9月6日に都内にて記者説明会を実施した。Internet of Thingsの到来に合せてコネクテッドカーなどのデバイスをどのように保護するか。さらにデバイスメーカーにとってハードウェアで稼働するソフトウェアを保護しつつ、収益化するか。この2点に絞った内容であった。

 ジェムアルトはもともとシュルンベルジェのICカードと端末の部門がAxaltoとして独立した後にGemplusという公衆電話のプリペイドカードをビジネスにしていた会社と合併してできた企業。スマートカードやSIMカードの暗号化とその周辺のソリューションを提供してしていた。

 2014年に米SafeNetという暗号鍵管理、アクセストークン、ソフトウェアの暗号化、ドングルによるセキュリティなどの製品やサービスを提供する企業を買収したことでSIMカードから幅を拡げたと解釈するべきだろう。今回の解説でも従来のSIMカード及びその発展としてIoTのデバイスのセキュリティからIoTデバイスを製造するメーカーに向けた内容であった。

マーケティングディレクターの鈴木信太郎氏
マーケティングディレクターの鈴木信太郎氏

 まず最初に登壇したのはアジア・パシフィック地域&チャネルマーケティングディレクターの鈴木信太郎氏だ。鈴木氏はジェムアルトが注力する事業領域として「モバイル」「金融サービス」「エンタープライズセキュリティ」「ソフトウェアベンダー」「政府機関」「交通機関」を挙げた。

 これらの単語だけでは理解しづらいが、それぞれ「セキュアなSIMカード」「決済などに必要な暗号化通信のためのハードウェアとソフトウェア」「社員証などのスマートカード」「センチネルによるソフトウェアの暗号化とマネタイゼーション」「電子パスポート」「交通系チケット」などの具体的なサービスを持つ。

 そのバックグラウンドを元に今年中に64億台がインターネットに接続されると予想されているデバイスに対してセキュリティと収益化を提供すると概要を解説した。

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