最後に登壇したのは「ソフトウェアの収益化 IoTマーケットに向けた事業戦略」と題したプレゼンテーションを行ったソフトウェアマネタイゼーション事業部のシニアプリセールスコンサルタント、前田利幸氏だ。
前田氏はソフトウェアのライセンスは「人類の発明品」であるとし、「無形資産を現金化させる」ための手段であり、ライセンスが存在しないソフトウェアの世界は「イノベーションを阻害」し、「社会に何も貢献しない」と強調した。さまざまなビジネスにおいてソフトウェアが差別化の最も重要なポイントとなろうとしている現代においてライセンスを提供する側が管理することが極めて重要であるという。
ソフトウェアを提供する側、IoTの文脈ではデバイスメーカーになるが、書面だけで利用を制限できるか、解析されて違法なコピーを作られないか、などの不安に対して自前でライセンス管理や利用をコントロール仕組みを作ることが困難であるという部分を強調した。
ここでのジェムアルトの提供するサービスとは、「ソフトウェアの暗号化」「コピープロテクション」「アンチデバッキング」だ。また多種多様なライセンシングや地用形態を可能にする機能やソフトウェアのオンライン配信なども可能になる。開発されるソフトウェアにジェムアルトのライブラリを組み込んで機能のオンオフができることで、価格を柔軟に設定し、単価を上げて差別化、逆に単価を下げて顧客層を拡げるなどの施策が可能になるという。
実際にはオンラインでの決済の機能は含まれておらず、顧客はユースケースに最も合った決済方法を提供するパートナーと連携して組み込む必要がある。このような場合、決済の状態やユーザーの管理などで頭を悩ますデバイスメーカーも出てくるのではないか。また機能のオンオフは可能だがSLA(Service Level Agreement)に応じて帯域や速度、通信量などをコントロールする仕組みはなく、その部分はシステム全体で作りこむ必要があるだろう。
IoTデバイスの監視などについても同様だ。そういう観点では旧セーフネットがカバーしていたPC上のソフトウェアの暗号化、ライセンス管理という発想のソフトウェアマネタイゼーション製品群「Sentinel」からIoTデバイスの現実的な応用にはカスタマイズが必要だ。