今、IT業界のリーダーに求められているのは、変化を管理することだ。最高情報責任者(CIO)は、日々の運用の監督から変革プログラムの推進まで、あらゆる方向から高まり続ける圧力を乗り切らなくてはならない。
では、ITリーダーがそのストレスと責任の重圧を管理するには、どうしたらよいのだろうか。
この記事では、5人のCIOに話を聞き、燃え尽き症候群になってしまうのを避けるためのベストプラクティスを挙げてもらった。
1.リラックスするための余裕を作る
英国の大手建材業者Travis PerkinsのCIOを務めるNeil Pearce氏は、仕事が忙しすぎるとすれば、ITリーダーはペースを落として落ち着くための余裕を作れていない可能性があると話す。Pearce氏はマインドフルネスと呼ばれる瞑想のテクニックを使って、休息を取っているという。
「ITリーダーは、自分にかかっている圧力を下げて、再結合する必要がある」と同氏は言う。「われわれの心は、常に忙しく働いている。マインドフルネスとは、自分自身のために時間を取って、内面を見つめることだ」
Pearce氏は「Headspace」と呼ばれるアプリを、最低でも週に2回は使うという。セッションは1回につき約20分だ。同氏は「このアプリは、瞑想中ユーザーを導いてくれる。考えすぎるのをやめるられるように設計されている」と述べている。
「わたしは結果を重視するタイプの人間で、瞑想の状態に入るまでにしばらく時間が掛かる場合もある。しなくてはならないのは、手順を進めることだけだ。しかし、一旦慣れてしまえば、素晴らしい気分を感じられるようになる。わたしは、マインドフルネスは非常に有効だと感じている」(Pearce氏)
2.優れたサポートスタッフを置く
世界的な法律事務所であるLinklatersのCIOであるMatt Peers氏は、燃え尽き症候群を避けるために重要なのは仕事を楽しむことだと述べている。「自分にとって何が大事なのかを理解する必要がある」と同氏は言う。「仕事は、わたしが大事にしているものの中でかなり上位にあり、自分の仕事を気に入っている。だからこそ、仕事に多くの時間を注ぐことができる」
またCIOの幸福度は、テクノロジ部門の人材の質とも関係しているとPeers氏は言う。「もし信頼して頼れるチームを持っていないのなら、それは問題だ」と同氏は言う。Peers氏はサポート体制を特に重視しており、他のCIOに対して、組織内に優れたサービスデスクを持つことの重要性を軽視してはならないと警告している。
「あまりにも多くのCIOが、サポートデスクをアウトソースすることは、優れた経費節減手段だと信じている。しかし、優れた人物にこの役割を任せれば、どんな問題も正しく処理されると安心でき、CIOはよく眠れるようになる」(Peers氏)
Peers氏によれば、ITの世界で働くことは、常に想定外の出来事が起こる可能性があるということだと理解するのが幸福の鍵だ。注意深く計画を立てることが重要で、これはサイクリングのような仕事以外の予定にも当てはまる。
「運動は朝にすることだ。ITの世界では一日が混乱することが多く、午後に時間が作れるという考えは、多くの場合、単なる希望的観測に過ぎない」とPeers氏は述べている。