また、2014年から2019年までの市場予測では、マーケット全体が約120%に伸びて、その中でクラウドは約180%、ハウジングも約115%に伸びますが、グロスでいうとまだまだ2/3がハウジングなのです。
私たちがデータセンター市場に取り組むといったときに、「AmazonやMicrosoftに勝とうとしているのか」と言われました。そうではなく、「やはり自分の手元にデータを置きたい」「分かるところに置きたい」「いざとなったら駆けつけたい」というような、情緒的なところも含めて日本のユーザー独特のニーズに対応するハウジングサービスはまだまだ伸びると考えました。
クラウドにはパブリッククラウドとプライベートクラウドがありますが、調査データを深掘りしてみますと、パブリッククラウドはAmazonやAzureなどが占めている一方で、プライベートクラウドは国産企業、内資系企業が占めています。データの場所を把握した上で管理したいというニーズに対しては、国内企業も頑張っていて、ハウジングも含めて伸びていることが分かりました。
今回、事業検討する際に、データセンター事業者やSIer、金融機関、コンサルタントなど、いろいろな方に話を聞きました。すると、みなさんに強く反対されました。「この持たざる時代に何ごとか」「データセンター事業者は価格競争で疲弊している」というわけです。
少々驚きましたが、皆さんのおっしゃることが見事に一致していることに違和感を持ち、色々調べたところ、それらの指摘の背景にあるのは、日本のデータセンターの構造的な課題だと気づきました。
その1つが設備の老朽化です。そもそも日本のデータセンターのうち、約7割は首都圏に集中しています。私が話を聞いた方々も、首都圏でビジネスをしている人たちでした。老朽化によって生じる大きな問題は電力量と床耐荷重です。