Dr.津田のクラウドトップガン対談

雪氷と外気による「超高効率データセンター」を展望(1) - (page 3)

吉澤亨史

2016-12-12 11:00

 日本に存在するデータセンターの約75%が2000年以前に建設されましたが、その多くは1ラックあたり2kVAの電力しか提供できません。2000年から2009年の建設は約17%で、提供電力は1ラックあたり4kVAが標準的です。これではラックが空いている状況でも、次のラックを増設せざるを得ず、その結果コストがかさむことになるわけです。

 次は床耐荷重についてです。来年発売されるであろうストレージの重量は、単体で平方メートルあたり2トンといわれています。しかし、首都圏にある一般的なデータセンターは、耐荷重が平方メートルあたり1トン未満というところが結構あるため、ハイスペックサーバやストレージを設置できません。

 つまり、利用者はサーバやストレージの機能向上の恩恵をフルに享受できず、データセンター側は値引きを要求される不健全な状況が発生してしまうわけです。

 それから、先ほど津田さんから「クラウドは電力ビジネス」という話がありましたが、見逃せないのは震災以降ぐんぐんと電気料金が上がっていることです。仮に2割上がった場合のインパクトを考えてみましょう。データセンターのランニングコストのうち、8割が電気代です。その20%が上がると全体では16%の原価上昇となり、かなりの影響を受けることになります。

 つまり、データセンターの節電は事業へ与えるインパクトが非常に大きい重要な問題と言えます。そしてデータセンターの消費電力の内訳をみると、44%が空調のための電力なのです。

 一方で、日本のデータセンターの7割が首都圏に集中している問題に対し、国もデータセンターの地方分散が必要であると打ち出すようになりました。

 東京都には、都内にデータセンターを置いている、もしくは自社のサーバルームがある中小企業が、東京以外の環境配慮型データセンターに移設した場合に、移設費用に対しての補助金が出る制度があります。

 今後国家レベルの課題になるであろうデータセンター分散化に貢献したいということが、会社を設立した2つ目の理由です。そして3つ目は、地方創生への貢献です。データドックは本社を新潟県長岡市に置いていますが、新潟県知事から質の高い雇用の創出を期待されています。新潟県は、県内の大学を卒業される優秀な人材が県外に流出してしまうことに強い危機感を持っていました。

 彼らが県内にとどまってくれるような雇用を創出してくれるとありがたいということであり、われわれはそこに貢献できると考えました。さらに今回、エネルギーの再利用プロジェクトも行っています。これは津田さんが会長を務めるDC Energy ECO Project(DEECOP)研究会が提唱する、データセンターのエネルギーを再利用する取り組みです。(次編に続く)

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