筆者の友人であり業界の仲間である、デジタルワークプレースのエキスパートJane McConnell氏は、最近書いた記事の中で、業界で集めた実際のデータに基づいて、単一の柔軟性のない総合的なデジタルワークプレースソリューションから、組織化された、微妙なニュアンスを持つエコシステムのアプローチに移行しつつある現状について、次のような表現でうまくまとめている。
1つで完結する、魔法のようなソリューションは、今後なくなっていく。デジタル化が進んだ企業の長期的なプラットフォームのビジョンはエコシステムだ。

すでにほとんどの企業は、デジタルワークプレースは組織化されたエコシステムでなければならないと結論づけているが、まだ現実はこの理解に追いついていない。
提供:Jane McConnell氏
新しいデジタルワークプレース:エコシステムと動的適応性
これまでも筆者は、企業に対して複数レイヤのコラボレーション戦略を検討するよう呼びかけてきたが、今後はこのモデルのレベルを1段階引き上げ、デジタルワークプレース全体を対象とすべきだ。新しいデジタルツールのためのビジョンと設計を生み出す取り組みは、固定的な設計ではなく、弾力的なフレームワークと、その他の新たなITアプローチを用いたものでなくてはならず、現場での頻繁な変更に対応でき、もはや大抵のビジネスに当てはまる単一のITソリューションは存在しないという現実を受け止めたものでなくてはならない。前述のMcCornell氏のデータを見れば、これがすでに起こっていることは明らかだ。ほとんどの企業は、すでに自社のデジタルワークプレースは小さなアプリケーションエコシステムになりつつあると回答している。重要なのは、各要素が少なくとも合理的な範囲で相互運用できるようにし、最小公倍数的なツールや、画一的なメンタリティを強制しないことだ。
実際、この現実は非常にうまくいっており、この指数関数的に変化が起こる時代に、デジタル化した世界が生んだ他のマクロ的な変化とも整合性が取れている。マスカスタマイズと個人化の実現、セルフサービス、何でも自分でやる精神の発揮、そして、個人を自らの周囲を改善する自律性と権限を持った効果的なチェンジエージェントとして活用することなどがそれにあたる。これらの教訓を生かしてデジタルワークプレースの整備に取り組めば、持続可能な成果を上げ、目標を達成できる可能性が高まるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。