米国空軍が、統合サプライチェーン計画の実現と世界各国のAir Force Sustainment Center(AFSC)でのシステムサポートの改善を目指し、「PTC Service Parts Management (SPM) SaaS」を導入したと発表した。
米国空軍は5000の航空機、65万点のアイテムを管理し、世界1500カ所に設置されている兵器システムをAFSCなどを利用してサポートしている。システムを提供したPTCによると、同組織の兵站インフラは、世界で最も複雑なサプライチェーンと言われている。今回SaaSを使い、需要予測精度の改善、計画工数の削減、総合供給計画の策定、拠点ごとの航空機の可用性の最適化などを目指した。
PTCはSPM SaaSは、航空宇宙・防衛産業での経験に基づき開発。米国海軍、米国沿岸警備隊のほか、Lockheed Martin、Boeingも利用している。米国沿岸警備隊は運用コスト低減と同時に、沿岸警備用航空機の可用性の6%改善、任務対応不可供給物の4%削減、オンタイム供給の40%改善、サービスレベルの91%達成を実現しているとのこと。
米国空軍の統合計画プロセスはSPMの機能を活用し、需要計画、在庫最適化、供給計画、例外管理、パフォーマンス管理に分かれて実施される。
需要計画では、独立(非定期)予測、従属(定期)予測を作成する。エキスパートによる予測アルゴリズムの選定、飛行時間等の要因の適用などが含まれる。
在庫最適化では、Readiness Based Sparing(RBS)の原則、航空機の運用時間、即納率の最適化などさまざま規定を組み合わせ、兵器システムの規定可用性の達成、在庫投資の最小化、財務的制約への対応を同時に実現する。
供給計画では、修理、調達、(再)配給指示と現在・将来需要を関連づける供給物流計画を作成する。配給計画でアセットを調整し、兵器システムの可用性に対応、整備・運用拠点における資材不足を積極的にマネジメントしていく。
例外管理では、エラー報告やイベント管理機能で適切な情報をユーザーに提供し、需要計画、在庫最適化、供給計画に関する計画担当者の作業キューの中で例外を調整するための推奨情報を提供する。
パフォーマンス管理では、真因分析、What-if分析に対応するアナリティクス、データ層化抽出、KPI、レポート生成、ダッシュボードなどの機能を提供する。