ITとアートが持つ創造性--Facebookオフィスが「落書き」だらけな理由 - (page 2)

増村岳史

2017-03-04 07:00

マネジメントの父、ピーター・ドラッガーは日本画のコレクターであった

 IT分野のビジネスパーソンではないが故ピーター・ドラッカーを知らない人はおそらくいないであろう。マネージメントの父と呼ばれ世界中の経営者やリーダーをはじめ、多くのビジネスマンに影響を与えたドラッカーが日本画を好んでコレクションしていたことはあまり知られていないのではないか。

 世界的に有名な水墨画、禅画のコレクターであり自身の山荘に作品を所蔵したことから「山荘コレクション」と呼ばれていた。銀行勤めをしていた1934年のロンドンで、たまたま迷い込んだ展示会で日本美術と出会ったのである。

 ドラッカーは生前こう言っていたのだという。「正気を取り戻し、世界への視野を正すために日本画を見る」。

 なお2015年にドラッカーコレクション展が千葉、長野、山口で開催されている。彼は冒頭のポールグレアムとは違う視点でアートを体感していたのかもしれない。


これからはSTEMプラスART(アート)の時代

 さて、最後に1冊の本を紹介したい。「この1月に発売されたAI時代の人生戦略 「STEAM」が最強の武器である (成毛眞著)」

 “STEM”--おそらく読者の皆さんはご存知かと思われる米国の教育界が最も力を入れている分野であるScience(サイエンス)、Technology(テクノロジ)、Engineerring(エンジアリング)、Mathmatics(数学)の頭文字を取った理数系教育の総称である。

 このSTEMにARTを加えた“STEAM ”がこれからの時代を生き抜くためのキーであるそうなのだ。すでに米国ではさまざまなワークショップが開催されている。

 Facebookを思い出していただきたい。マークザッカーバーグはまさにSTEAMを日々実践しているのだ。

増村岳史
学習院大学経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。マーケティング、営業を経て映画、音楽の製作および出版事業を経験。リクルート退社後、音楽配信事業に携わったのち、テレビ局や出版社とのコンテンツ事業の共同開発に従事する。2015年アートと人々との間の垣根を越えるべく誰もが驚異的に短期間で絵が描けるART&LOGIC(アートアンドロジック)を立ち上げ現在に至る。

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