Clouderaは現在、データサイエンティストやデータエンジニア、ビジネスインテリジェンス(BI)ユーザー向けの特別エディションを提供している。同社は今後、法人顧客を魅了するためにどのような動きに出るのだろうか?また、どのようなクラウド戦略を採用するのだろうか?
Clouderaは、「Hadoop」関連企業のなかでは良い位置に付けている。同社は早い時期から地盤を築いており、最大のインストールベースを有してもいる。また同社は、Intelから7億4000万ドルの投資を受け、同分野の企業のなかでは最大級の資金力を誇ってもいる。そして同社は、利益を生み出せるだけの資金を保持している一方で、新規株式公開(IPO)に向けて準備を進めているという報道がうわさを呼んでもいる。
Clouderaは新たな戦いに立ち向かおうとするなか、出発点であるエンジニアリングから軸足を移そうとしている。同社の最高戦略責任者(CSO)Mike Olson氏は、3月半ばに開催したアナリストらとのミーティングにおいて、カリフォルニア州サンノゼで開催した「Strata + Hadoop World」イベントで掲げたテーマを引き継ぎ、「データサイエンスを行いたければ、ワトソン(注:「IBM Watson」を暗に指している)になるのではなく、ホームズになった方がいい」と言い放った。この言葉の真意は、Clouderaが競合するのはHadoop関連の典型的な企業ではなく、IBMだと同社が大局的に捉えているというところにある。IBMは「Apache Spark」に注力しているものの、Clouderaによると、機械学習を手がける同社の顧客ベース全体でSparkの本番配備数は400を超えており、Watsonのそれをはるかに上回っているという。
Clouderaは新たなマーケティングチームを配し、製品エンジアリング企業から、業務上の意思決定者を対象とした企業へと脱皮を図っている。これは他の企業の間でもよく見かける転身だが、Hadoopの出自を考えれば容易ではないと分かるはずだ。Clouderaのプラットフォーム上では20を超えるオープンソースプロジェクトが進められているため、さまざまな調整作業があり、ソリューションの提供までの道のりが険しいものになっている。
オープンソースはもろ刃の剣だ。ビッグデータアナリティクスを実装する組織はロックインを避けられるという点でオープンソースに大きな魅力を感じているとはいえ、プロジェクト間の調整はやりたくないと考えている。そういった作業はこの世界におけるClouderaの仕事なのだ。