ビジネスモデルが短命化するなかで即戦力を求める動き
人材獲得競争激化の背景として、ビジネスモデルの変化も挙げられます。企業が一つのビジネスモデルで30~40年と存続できたこれまでとは異なり、企業の平均寿命は20年とも言われる時代となりました。
企業が存続し続けるためには、1つのビジネスモデルにしがみつくのではなく、変わり続けなければならないということは、多くの方が感じていることと思います。

そのため、経営層をはじめとした即戦力となる人材を、社外から幅広く採用する動きが激しくなり、新しい職種が生まれています。それが、優秀な人材を採用するための採用に特化した専門職「プロ・リクルーター」です。
2015年に、米国の男性向けプレミアム・ライフスタイルサイト「The Cheat Sheet」の記事でも、2030年に必要とされる職業トップ10に「リクルーター」がランクインしHR業界で話題となりました。この動きは海外にとどまらず、外資系企業を中心に日本においてもみられるようになっています。
今、企業から求められる人材とは
このようななかで、企業のプロ・リクルーターや経営者から求められているのが労働生産性の高く、成果をすぐにあげることが可能な「プロ人材」です。
われわれも、企業や自治体がプロ人材を採用して大きな成長を遂げた事例を数多くみてきました。例えば、老舗企業が事業戦略の転換をしたり、地方のホームセンターがEC分野を立ち上げV字回復をしたりと、プロ人材が事業の中核となり活躍しています。
最近では、内閣府が「プロフェッショナル人材戦略事業」を展開し、都市部のプロ人材を地方企業が採用し、攻めの経営に転じられるような取り組みを実施していることからも、国として優秀な人材の流動化に注目していることは言うまでもありません。
プロ人材は社内で育成できないのか
もちろん、社内でもプロ人材は育成はできますし、継続的な教育投資育をおろそかにはできません。一方で現在のマーケット変化に対して育成は、時間もかかり難度も高いため、多くの企業が事業戦略上必要な人材を外部から採用する気運が高まっているのです。
しかし、日本の有効求人倍率は高止まりを続けており、現状は甘くありません。
中小企業庁の調査でも約4割の企業が「必要な人材を確保できていない」と回答していることからも、日本国内における採用の難しさがうかがえます。
一部の就活人気ランキングに名を連ねるような企業以外は、自社に最適な人材を採用するために汗をかかなければならないというのが現状です。