Googleによると、より現実的なテストの結果に基づいて「V8 JavaScript」に最適化を施すようになったことで、「Google Chrome」のページ読み込み速度が向上したという。
Googleは2016年、V8のCPU消費への影響を軽減する最適化を発表したが、このところ、「JavaScript」の「ピーク」パフォーマンスを目指してV8を最適化する従来のアプローチをとる代わりに、現実的な状況下でChromeの読み込み時間を改善する作業に取り組んでいる。
Googleの「V8トラックコメンテーター」であるSeth Thompson氏は、「この現実に即したパフォーマンスデータから得られた知見を活用して、V8は最適化を実装し、『Google Chrome 49』と『Google Chrome 56』の間のページ読み込み性能を10~20%高めた。改善の度合いはCPUアーキテクチャによって異なる」と話す。
V8チームがこの4年間、主に使用してきたベンチマークは、ピークパフォーマンスを優先する「Octane」だったが、Googleは推奨されるベンチマークとしてのOctaneの使用を終了することを決断した。Octaneによって現実的な効果が減少していることや、ピークパフォーマンスの「過剰な最適化」が起こっていることが理由だという。
ピークパフォーマンスは一部の高負荷のウェブアプリケーションで効果を発揮するが、多くのウェブサイトでは、スクリプトのダウンロード速度の方が重要な測定基準である。
V8チームが説明するように、Octaneのおかげで、V8やほかのエンジンの開発者は「計算負荷の高いアプリケーションの速度を十分に向上させ、JavaScriptをC++やJavaに取って代わる有力な代替言語にするような最適化を提供」することができた。
しかし、2015年頃になると、Octaneで高いスコアを出しても、現実のウェブページのパフォーマンスがそれほど向上しなくなった。実際のところ、これらのページに負の影響を及ぼすようにもなった。
読み込み速度の最適化を重視する新しいアプローチは、「Speedometer」と呼ばれる新しいベンチマークにおけるChromeのパフォーマンスにも反映されている。このベンチマークで、Chromeのパフォーマンスは1年前から25~35%向上している。
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この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。