富士通は5月9日、ものづくりデジタルプレイス「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA」(COLMINA)を販売開始すると発表した。2020年度にCOLMINA関連ビジネスで売上2000億円を目指す。
COLMINAは、製造業におけるサービスおよび設計、製造、保守など、ものづくりのあらゆる情報をつなげる仕組みを体系化したもの。工場における人、製造物などの位置情報や設備情報だけでなく、ものづくり全般に関わる業務システムやノウハウの連携、さらに企業間でのサプライチェーン連携などを実現する。
ものづくりデジタルプレイス「COLMINA」の体系図
富士通では、日本政府が超スマート社会Society5.0の実現に向けた「Connected Industries」を表明する中、長年にわたり、自社の製造経験やシミュレーションを活用したバーチャルなものづくりによる業務の効率化を進めてきた。COLMINAは、同社のものづくりノウハウを搭載し、超スマート社会Society5.0の実現にもつながる、ものづくりプラットフォームとして位置づけられる。
COLMINAは、製造業向けの多種多様な業務サービス群「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINAサービス」(COLMINA サービス)、作業員のバイタルや製造物の位置などのセンサ情報、設備機器の稼働情報を収集・処理する「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINAエッジ」(COLMINAエッジ)、「COLMINAサービス」と「COLMINAエッジ」を連携する「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINAプラットフォーム」(COLMINAプラットフォーム)で構成されている。
COLMINAサービスは、富士通が既に提供している製造業向けのサービスも含めて150種のサービスを擁する。7月より、第一弾として、25種類のサービスを順次提供していく。
「COLMINA」のサービス一覧
提供されるサービスの中の「仮想大部屋」は、設計情報や解析結果、製造部門との検討内容などの製品開発に関わるノウハウをデジタルに管理し、コンピュータとのやりとりで必要な情報をいつでも引き出せる仕組みを提供する。また、「トリアージ」は、チョコ停が起こった時に現場の状況をリアルタイムに把握し生産計画をリスケジュールする。対応優先順を提示し、遅延することなく生産を進めるための仕組みを提供する。
COLMINAエッジは、さまざまな設備機器のデータを収集し、最適なデータフォーマットの変換処理を行い、「COLMINA」上の各種サービスとのデータを連携する。機器との連携には、他社が提供するエッジプラットフォームと連携するための仕組みを提供する。2017年下期より提供開始する。
COLMINAプラットフォームは、製造業の新たなサービスを生み出す基盤。2017年7月より提供開始する。今後、様々な設備機器のデータを収集・分析するビッグデータ技術、RRI、IVIなどの団体との活動を通じて定義した標準データフォーマットを実装し、APIを通じて利用する。富士通のAI技術「Zinrai」のAPIも同基盤より提供する予定。
富士通では今後、工場自動化に向けたコンサルティングサービスや、人材や企業同士のマッチングなどの人的サービスの提供も計画している。また、ベンチャー企業や他社がCOLMINA上でサービスを展開できる開発環境も提供する。
各種サービスの利用価格は、個別見積り。