ドワンゴが自社内の新サービス開発基盤に、レッドハットの「Red Hat OpenStack Platform」を導入した。レッドハットが5月10日、発表した。
今回の導入でドワンゴは、インフラ部門からセルフサービスとAPIを開発部門に提供できるようになり、仮想マシンのインスタンスなどをタイムリーに利用できるようになった。
ドワンゴは、新たに構築する開発インフラでOpenStackに注目。その理由に、コミュニティー活動が活発で情報が豊富で入手しやすいオープンソースソフトウェアであることを挙げている。同社では、コミュニティー版のRDOや他社の商用ディストリビューションと比較した結果、Red Hat OpenStack Platformを採用した。採用理由は、外部ネットワークを複数保持する自社データセンター内のネットワークの構成へ柔軟に対応でき、エンタープライズ分野でも多数導入されていたからだった。
これまで同社は、インフラ部門が開発部門に新たなシステム環境を提供する際、仮想サーバを作成してOSやミドルウェアをセットアップした後、ネットワークなどを設定して引き渡すという工程を踏んでいた。しかし手作業が多く、時間もかかり、効率化が求められていた。また、用意する環境も物理、仮想の両サーバ環境が混在しており、一元管理ができないことも課題となっていた。
新しい環境は1000台の仮想サーバを運用できる規模を想定。コントロールノードや監視、ログ収集、Red Hat OpenStack Platformのdirectorなどが同居したサーバが4台、仮想サーバを動かすコンピュートノードが十数台といった構成となっている。サービス単位でテナントに分けられ、自由に仮想インスタンスの作成や破棄等が行える。3月時点で既に十数のサービスで利用されている。
具体的な効果として、新しい仮想開発サーバを立てる際、以前は開発部門に引き渡すまでに数日かかっていたが、現在ではスクリプト化され、10分ほどで完了するようになっている。