”勝つ”ためのツールセット「SAP Leonardo」
このように、これまでのSAPの進化を説明したのち、「HANAに続く最大の発表」としてMcDermott氏が強調したのが、「SAP Leonardo」の正式発表だ。
背景にあるのはデジタルがもたらす「破壊」だ。Fortune 500企業の約半分が2016年は損益を計上、S&P 500にリストされた企業は2週間に1社、リストから外れるという時代。「マスマーケティングから一人のためのマーケティングに、顧客がカスタマイズできる製品に、資産からシェアリングエコノミーネットワークへーービジネスモデルを考え直し、再構築する必要がある。競争は激しい」とMcDermott氏、「この現実に、切迫感とともに向き合う必要がある」とした。
「だがこれはチャンスでもある。SAPとともに最大のチャンスを活用できる」ーーSAP Leonardoはその役割を担うものといえる。
Leonardoは当初IoTプラットフォームとしての機能が中心だったが、ビックデータ、機械学習、ブロックチェーンなどの技術を含む「ツールセット」となる。「これまではRun(企業を動かす)のツールを提供してきた。これにWin(勝つ)のためのツールが加わる。これができるのはSAPだけだ」とMcDermott氏。
鍵を握るのは、データとスピードだ。データでは、S/4 HANAによりデータを差別化にできるという。「世界のトランザクションの76%がSAPのシステムを通過している」とMcDermott氏は述べ、医療を変えたゲノム解析を持ち出し、「SAPはデジタルビジネスにおけるゲノムシーケンサー」と自社の役割を例えた。スピードは、新しい技術をいかに早くビジネスに活用するかが生き残りに影響する時代であり、「”インテリジェントなエンタープライズ”のアーリーアダプターになるのを支援する」とした。