ビジネスプロセスとビジネスモデルの両方を支援
SAP Leonardoについて説明したSAP Leonardo担当プレジデントを務めるMala Anand氏は、「顧客はどこからデジタル化すれば良いのか、何から着手すればいいのか分からない。SAPはこれを支援する」とLeonardo製品化に至った経緯を説明する。

SAP Leonardoを率いるMala Anand氏
具体的には、人工知能(AI)、機械学習、ビックデータ、アナリティクス、ブロックチェーンなどデータの価値を引き出してデジタルトランスフォーメーションを可能にする「データ主導のインテリジェンスシステム」がある中、顧客がこれらを容易に、迅速に利用できるようにすることを目指す。これら1つ1つの技術も価値をもたらすが、一緒に連携する時に本当のパワーを得られるという。

SAP Leonardoは技術ツール群となる。
特徴は技術支援だけではなく、デザインシンキングを通じたビジネス上の問題解決から支援する点だ。SAPはこの日、ニューヨークなど世界4箇所にLeonardo Centerを開設することを明らかにしている。デザインシンキング支援は顧客の元でも行う。
「デジタルビジネスになるためには、ビジネスプロセスとビジネスモデルの両方が必要。SAP Leonardoは2つが可能だ」(Anand氏)。
デザインシンキングとラピッドプロトタイピングを用いることで、イノベーションから実装までの時間は50%以上圧縮できるという。
その後、最高イノベーションオフィサーに就任して1年足らずのJuergen Mueller氏がSAPPHIRE NOWに初登場し、Leonardoを利用したデモを披露した。

SAPの最高イノベーションオフィサー、Juergen Mueller氏
ビルなどの設備管理をイメージした者で、Google Street Viewのようにビル内・外を映し、センサーからの情報などを重ねて表示することで遠隔からの管理ができるというものだ。
また施設の資産に誰が責任を持つのかを調べるにあたって、機械学習とブロックチェーンを利用して数百ページにわたるリース契約から必要な部分を表示し、ドイツ語から中国語に翻訳したり、契約が代わったら関係する人がすぐにわかるように透明性を持たせるといった取り組みを実施した。これらを全て単一システム上で行うことができる。

Leonardoを利用したデモ。ビル内部をStreet Viewのように映し、非常口などを点検できる。
McDermott氏は最後に、「SAPはコアで行った顧客の投資を保持しつつ、Leonardoで新しいビジネスモデルイノベーションを可能にする」と述べる。「変革が必要だということを知っているだけでは不十分。実行に移すときがきた」とし、イノベーションにより地球や人類全体の問題を解決しよう、と来場者に呼びかけた。